最新記事
北欧

トランスジェンダーは入国拒否の恐れ...デンマークとフィンランドが米国渡航に警鐘鳴らす

Finland, Denmark Issue Travel Warnings For US

2025年3月25日(火)10時30分
ビラル・ラーマン、エフゲニー・ククリチェフ
トランスジェンダーの権利を後退させるアメリカに、トランスジェンダー当事者が入国する際は注意が必要となった。

トランスジェンダーの権利を後退させるアメリカに、トランスジェンダー当事者が入国する際は注意が必要となった。 GUTU VALERICA-shutterstock

<トランスジェンダーおよびノンバイナリーの権利を後退させるトランプ政権。アメリカ行きの渡航ガイダンスを見直す国が欧州で続出>

デンマークとフィンランドは、アメリカへの旅行を予定しているトランスジェンダーの国民に向けて、渡航ガイダンスを改訂した。この動きは、ドナルド・トランプ米大統領による不法移民およびトランスジェンダーの権利に対する大規模な取り締まりへの対応とみられる。

本誌はこの件につき、両国の外務省に電子メールでコメントを求めている。


デンマークは自国民向けのガイダンスに、アメリカのビザを申請する際には「男性」または「女性」の2つの性別しか選択できないことを新たに明記した。デンマークの外務省は、パスポートの性別欄に「X」(男女に限定しない性自認)と書かれている場合、あるいは性別変更歴がある場合は、渡航前にアメリカ大使館に連絡し、手続きの進め方について指導を受けるよう促している。

デンマークのラジオ局「RadioIIII」によると、この変更は、当事者を支援する団体「LGBT+デンマーク」が同国の外務省に対し、渡航に関する勧告を更新するよう求めたことを受けて実施された。

また、同団体の事務局長スザンネ・ブラナー・イェスパーセンは同ラジオ局に対し、「人々が空港で引き止められたり、入国を拒否されたり、不快で侮辱的な目に遭ったりしないかを懸念している」と述べた。

「LGBT+デンマークとしては、トランスジェンダーの人々がアメリカへの入国を申請しようとする場合に何が起こりうるのか、その明確な答えを知りたい。そのためにも、我々はアメリカ大使館に直接問い合わせる予定だ」

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

独IFO業況指数、12月は予想外に低下 来年前半も

ビジネス

EU、炭素国境調整措置を強化へ 草案を正式発表

ワールド

インドネシア中銀、3会合連続金利据え置き ルピア支

ワールド

戦略的互恵関係を推進、国会発言は粘り強く説明=日中
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 7
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 8
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中