「アメリカは抜けない...」諦めムードに沈む中国だが「ナンバー2」の方が「お得」かもしれない?

BABY BLUES

2025年2月5日(水)15時52分
ジョン・フェン(東アジア政治担当)、マイカ・マッカートニー(アジア安全保障担当)

旧正月に向けてランタンを作る浙江省の工場

旧正月に向けてランタンを作る浙江省の工場 WANG HUABINーVCG/GETTY IMAGES

「PPPベースの購買力は中国の国防費の購買力を測るのに役立つが、軍事支出イコール軍事力とは言えない」と、台湾の政治学者で国立台湾大学の中国研究センターのフィリップ・シュー所長は言う。

「アメリカは多くの兵器システムで今も中国より技術的優位にある。中国の軍の腐敗は深刻で、軍事費が毎年どの程度失われているか分からない」


かつての日本の二の舞いに?

1980年代、アメリカにとって最大の貿易摩擦の相手は最も緊密な同盟国の1つ、日本だった。日本製品の輸出攻勢はアメリカの製造業が衰退するのではないかという不安を招いた。だがそうした不安は間もなく日本のバブル崩壊で雲散霧消した。

IMFの昨年4月の世界経済見通しによれば、日本の名目GDPは今年インドに抜かれて世界5位に転落する見込みだ。

中国指導部は資本主義と計画経済が混在する状況下で予測不可能な市場要因に対処しなければならないだろう。アジアの隣国である日本はデフレスパイラルと「失われた数十年」と呼ばれる長期の景気低迷に陥った。

中国も同じ道をたどるとみる向きもあるが、国営メディアは頑として認めようとしない。

昨年12月の中央経済工作会議で、共産党と政府は「より積極的な財政政策」を実施する方針を打ち出した。米格付け会社スタンダード&プアーズ(S&P)は、これまでの政府の保守的なアプローチ──野心的だが期待外れで遅きに失した景気刺激策──は相対的な景気低迷を助長し、その結果、今年の経済成長率は5%以下にとどまるとみている。

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