最新記事
韓国

韓国ユン大統領、弾劾可決は必至か 与党代表「早急な職務執行停止が必要」

2024年12月6日(金)11時34分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
韓国の尹錫悦大統領

韓国のユン大統領、国会での弾劾可決は不可避か? REUTERS

<戒厳令をめぐる新事実も明かされ、身内からの最後通告が出た>

韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が3日夜に突然出した戒厳令をめぐり、混乱が続く韓国政界。野党は国会での大統領弾劾決議を目指しているが、これに対して与党はユン大統領への離党を促すに留まっていた。ところが、韓国与党・国民の力の韓東勳(ハン・ドンフン)代表は6日朝、従来の立場を翻し「ユン大統領の早急な職務執行停止が必要だと判断する」と発表。事実上、弾劾決議への賛成を示した。韓国メディアのJTBC、ハンギョレ、KBSなど各メディアが一斉に報じている。

戒厳令の際、政治家の拘束指示

ハン代表は6日朝、党最高委員会議で「昨夜、戒厳令宣布当日にユン大統領が主要政治家らを反国家勢力という理由で高校後輩の司令官に逮捕するよう指示した事実、ユン大統領が政治家ら逮捕のために情報機関を動員した事実を信頼できる根拠を通じて確認した」と明らかにした。

ハン代表は「そうして逮捕した政治家たちを果川(カチョン)の収監施設に収監しようとしたという具体的な計画があったことも把握された」として「今後色々な経路で公開されると思う」と話した。

ハン代表は「私は昨日、準備のない混乱による国民と支持者の被害を防ぐために今回の弾劾に対しては通過しないよう努力すると申し上げたが、新たに明らかになっている事実などを勘案すれば、大韓民国と国民を守るためにユン大統領の早急な職務執行停止が必要だと判断する」と話した。

ハン代表は「ユン大統領は今回の事態に不法に関与した軍兵士に対する人事措置さえしておらず、司令官にさえ人事措置していない」として「今回の不法戒厳令が誤りだと認めもしていない」と話した。

続けて「そのためにユン大統領が大韓民国の大統領職を継続遂行する場合には、今回の非常戒厳のような極端な行動が再演される憂慮が大きく、それによって大韓民国と国民を大きな危険に陥れる憂慮が大きいと考える」として「今はただ大韓民国と大韓民国の国民だけを考えなければならない時だと信じる」と話した。

一方でハン代表の発言が終わると、キム·ジェウォン国民の力最高委員は「私は最高委員として事実関係をまだ確認できていない」とし、「事実関係が確認されれば、その次の段階で結論を申し上げる」と明らかにした。

国民の力は、6日午前11時、非常議員総会を開く予定で、ここでは「大統領弾劾反対」の立場を再議論するものと見られる。

いまだ流動的な余地はあるが、ハン代表の発言により国会で野党が提案した弾劾決議の際に与党から賛成票が投じられることが予想され、ユン大統領への包囲網は狭まってきている状況だ。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ナジブ・マレーシア元首相、1MDB汚職事件で全25

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和

ワールド

ロシア高官、和平案巡り米側と接触 協議継続へ=大統

ワールド

前大統領に懲役10年求刑、非常戒厳後の捜査妨害など
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 8
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中