最新記事
イラン

「テヘランの虐殺者」ライシ大統領の死を祝い、命を奪われた反体制派に想いを馳せるイラン人<動画付き>

Iran President Raisi's critics celebrate his death

2024年5月21日(火)20時58分
ジョーダン・キング

ライシの死を受けて複数の人物がアミニの写真を共有し、またほかの者たちはライシの死に関する投稿に「#WomanLifeFreedom(女性・命・自由)」のハッシュタグをつけた。

米ワシントン在住の活動家サラ・ラビアニは、この反政府デモによって死亡した複数の人を紹介する動画を投稿。「アリ・ハメネイとイブラヒム・ライシの犯した罪によって命を奪われた、イランの無数の犠牲者たちに哀悼の意を表明する」と書き込み、さらにこう続けた。「彼らは未来を奪われ、多くの者が最期の時に言葉では言い表せないほどの苦しみを味わった。彼らは英雄としてずっと私たちの記憶に残るだろう」

 

ソーシャルメディア上に投稿された動画の中には、海外に移住したイラン人たちが英ロンドンなどのイラン大使館の外でライシの死を祝う様子を撮影したとするものもあった。

イラン国内でライシの死を祝って花火を打ち上げている人々を捉えたとする動画も投稿されているが、これは(イスラム教の指導者)故イマーム・レザーの誕生日を祝う様子を撮影した写真の流用だと指摘する声もある。

フーシ派やハマスが相次いで声明発表

ライシの死を悼む声もある。ベイルート在住のジャーナリストであるマルワ・オスマンは、「私たちはアッラーの下に属しており、アッラーの元に戻る」と書き込み、さらにこう続けた。「大アヤトラのアリ・ハメネイ師が率いるイラン国民に、大きな悲しみをもって哀悼の意を表する。イラン国民がこの大きな苦痛に耐えられるよう願っている」

反シオニズムを掲げる一部の人々もライシの死を嘆いている。パレスチナ人の土地の「占領者」であるイスラエルに抵抗するイスラム過激派組織「ハマス」やイエメンのシーア派勢力「フーシ派」の支援は、ライシの指導力の下で行われてきたからだ。

南米を拠点に活動するジャーナリストのベンジャミン・ルービンスタインはライシを「英雄」と呼び、彼は「不朽の存在となるだろう」と述べた。

フーシ派幹部のモハメド・アリ・アル・フーシは「イランの国民と指導部に心から哀悼の意を表する。イランの指導者たちは今後も、国民に忠実に尽くしていくだろう」と述べた。

ハマスも同様に声明を出し、次のように述べた。「イランはアッラーの助けを得て、この大きな喪失を乗り越えていくだろう。親愛なるイラン国民には、この厳しい試練に対処することができる力強い指導部がいるからだ」

イラン憲法第131条は、大統領が死去した場合は最高指導者ハメネイ師の承認を得て、第一副首相が大統領職を継承することを定めている。これによりムハンマド・モフベル副大統領が暫定大統領に就任することになる。


ニューズウィーク日本版 高市vs中国
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年1月27号(1月20日発売)は「高市vs中国」特集。台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、FRB次期議長の承認に自信 民主党の支

ワールド

エプスタイン文書追加公開、ラトニック・ウォーシュ両

ワールド

再送-米ミネソタ州での移民取り締まり、停止申し立て

ワールド

移民取り締まり抗議デモ、米連邦政府は原則不介入へ=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 3
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 4
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 5
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 6
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 9
    「着てない妻」をSNSに...ベッカム長男の豪遊投稿に…
  • 10
    中国政府に転んだ「反逆のアーティスト」艾未未の正体
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中