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パレスチナ

イスラエルにも受け入れ可能な「ガザ戦争」の和平のシナリオ...水面下で動き出した「希望」への道筋

Reason for Hope in Gaza

2024年2月22日(木)17時21分
ダン・ペリー(ジャーナリスト)、ギレアド・シェール(1999年の和平交渉のイスラエル代表)

パレスチナ国家の領土はヨルダン川西岸とガザを合わせた広さになるが、どう線引きするにせよ、イスラエルに2国家共存を認めさせるには、パレスチナの非武装化が絶対条件となる。

10.7後のイスラエルが領土の分割に治安上の不安を抱くのは当然だ。イスラエルが05年にガザ全域と西岸の一部から入植者と兵士を完全に撤退させた結果、暴力的なジハード(聖戦)主義組織であるハマスがガザを支配した。

そのため和平の枠組みは、イスラエル軍と入植者に即座の全面的な撤退ではなく、段階的な撤退を求めている。そしてパレスチナの完全な非武装化を交渉の前提条件とし、新たに誕生するパレスチナ国家に暴力的な武装組織の一掃を求めている。当面はアラブ諸国も含めた第三者機関がこうした安全保障上の取り決めの遵守を監視することになる。

和平の枠組みを支えるのは3つの岩盤原則だ。第1にイスラエルとパレスチナが双方を正式に国家として承認する。第2に合意の重要な側面については地域や西側の国々がその実施を支援し、合意の履行を監視する。第3に今回の危機で生まれたモメンタム(勢い)を生かし、初期段階で合意の大枠を固める。

注目すべきは、この枠組みがパレスチナ過激派のテロと武装勢力の攻撃を終わらせることを交渉の大前提にしている点だ。それが実現すれば、イスラエルが払った10.7という代償も無駄ではなかったことになる。

ガザの復興支援のための連合の創設も提案

エルサレムについてはどうか。枠組みは、和平プロセスがある程度進んだ段階で旧市街を特区にすることを提案する。ユダヤ、イスラム、キリスト教の聖地が集まる旧市街の扱いは過去の和平交渉で最も手ごわい難題となった。旧市街をあらゆる宗教のあらゆる信徒が入れる聖地にすることが和解に向けた一歩となる。

生まれたばかりのパレスチナ国家は5年の移行期間中に主権国家としての体制を整えることになる。新たに誕生する政府がパレスチナ自治政府やパレスチナ解放機構(PLO)などの組織に取って代わり、旧組織のメンバーもそこに加わる。今回の危機ではエジプトやカタールが交渉仲介の労を取った。それらの国々も加えた国際的なメカニズムを構築すれば、それを通じて2国家共存の実現を支援し、イスラエルとサウジアラビアなどのアラブ諸国との国交回復を仲介できる。

和平の枠組みはまた、ガザの復興支援のための連合の創設も提案している。アメリカとEUが主導し、イスラエルとパレスチナ、アラブ諸国も加わるこの連合が基金の創設も含め詳細な復興・再開発計画を策定する。さらにアメリカとEUの主導で、和平プロセスを豊かさと安定につなげていくために、より広範な経済支援策も実施される。

月並みな表現だが「夜明け前が一番暗い」という言葉は今の状況にも当てはまる。虐殺と破壊が続く今、誰もが新しい夜明けを待ち望んでいる。地域と世界は手をこまねいて見ているわけにはいかない。

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