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能登半島地震、石川県の死者55人に 建物が多数倒壊 5万人以上が避難

2024年1月2日(火)23時55分
被災した金沢市の大野日吉神社

1日に発生した能登半島地震で、2日午後4時までに30人の死亡が確認された。被害が最も大きかった石川県では多数の建物が倒壊。岸田文雄首相は2日午前の非常災害対策本部会議で、「被災者の救命、救助とも時間との勝負」と語った。被災地では5万人以上が避難している。写真は地震による被害を受けたとみられる石川県珠洲市の沿岸部。2日午前撮影(2023年 時事通信)

1日に発生した能登半島地震で、石川県は2日午後9時30分時点で55人の死亡を確認した。最も大きな揺れを観測した同県では多数の建物が倒壊し、岸田文雄首相は2日午前の非常災害対策本部会議で、「被災者の救命、救助とも時間との勝負」と語った。他県を含め、被災地では5万人以上が避難している。

石川県によると、輪島市で24人、珠洲市で20人、七尾市で5人、穴水町で2人、羽咋市と志賀町で各1人が死亡した。重傷者は22人、行方不明者は確認中としている。消防庁によると、午後4時時点で石川県以外で死者は確認されておらず、重傷者は石川、富山両県で計17人、軽傷者は新潟県や福井県、大阪府なども含め90人に上る。

七尾市に住む杉森信子さん(74)は2日午前にロイターに対し、地震発生時にはテレビが倒れないよう押さえていたが、自分の体が左右に激しく振られたと語った。杉森さんの自宅の壁には大きな亀裂が入り、室内は家具が散乱した。

林芳正官房長官は午後の記者会見で、「引き続き被害の全容把握に向けて全力を挙げて情報収集に努める」と述べた。石川県や新潟県などの955カ所に5万3760人が避難しているという。

石川県によると、輪島市や珠洲市で多数の家屋が倒壊した。珠洲市の泉谷満寿裕市長は午前の県災害対策本部員会議で、「(市内の)住宅の全壊は1000棟ほど出ているのではという感触がある」と述べた。輪島市では観光名所の「朝市通り」がある河井地区で大規模な火災が発生し、NHKは200棟以上が焼けたとみられると伝えている。県によると、珠洲市と能登町でも火災が起きた。

NHKによると、石川、新潟、福井、富山、岐阜の5県で複数の負傷者がいて、倒壊した家屋に住民が取り残されているとの情報もあるという。

政府は2日午前に岸田首相をトップとする非常災害対策本部会議を開き、被災対応を協議。首相は「建物の崩壊などによる被害者は一刻も早く救出する必要がある」と述べ、自衛隊や警察の広域緊急援助隊、消防の緊急消防援助隊などを最大限動員し、救命、救助活動に全力を尽くすよう指示した。道路の寸断で能登半島北部へ向かうのが困難なことから、海路を通じた物資の輸送も今後本格化させる。

会議後に会見した首相は、1月4日の伊勢神宮参拝を延期し、現地で予定していた年頭会見は首相官邸で行う考えを明らかにした。

能登半島地震は1日午後4時過ぎから相次ぎ発生し、最大震度7を石川県志賀町で観測した。気象庁は2011年の東日本大震災以来となる大津波警報を能登地方に発表した。

気象庁は日本海沿岸に出していた津波警報をその後津波注意報に切り替え、2日午前10時にすべての津波注意報を解除した。

一部区間で運転を見合わせていた上越新幹線は午後2時38分に、北陸新幹線は午後3時20分にそれぞれ全線で運転を再開した。

(編集:宮崎亜巳)

*内容を追加しました


[ロイター]


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