最新記事
スポーツ

特殊戦司令部の制服脱いだミス・コリア、韓国代表でアジア大会の金目指す ところでカバディって何?

2023年9月24日(日)08時31分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

チームメイトについていけない......

ウ・ヒジュンはインドから帰国するとすぐに釜山にある韓国カバディ協会に連絡をとって「そんなに好きなら一度習ってみなさい」という返事をもらい、さっそく釜山に引っ越して練習を始めた。しかし、カバディは瞬発力だけで通用する種目ではなかった。カバディを始めて2年後の2015年国家代表チーム入りを果たしたが、チームメイトたちの筋力訓練に付いていけなかった。ベンチプレスではプレートを1枚も付けていないバーだけの状態(20kg)ですら持ち上げられないほどだった。

ウ・ヒジュンは1年間ダンベルを使って筋トレに励み、ベンチプレスでもプレートを60kgまで増やした。筋力がついたことで身長(172cm)に比べて長い足(110cm)を利用したバックキックもそれまで以上に強力な技になったという。こうしてウ・ヒジュンは2016年釜山で開催された第4回アジア女子カバディ選手権大会に韓国代表チームの一員として出場、金メダルを獲得した。韓国女子チームがアジア選手権大会で優勝したのはこの時が初めてだった。

2016年蔚山(ウルサン)大学に入学したウ・ヒジュンは2018年にもカバディ国家代表としてインドネシアで行われたジャカルタ・パレンバンアジア大会に出場、韓国はこの大会で歴代最高成績の5位という結果を残している。

後輩のいたずらでミス・コリアへ

2018年のアジア大会が終わった後、ウ・ヒジュンはまた新しい分野で挑戦を始めた。大学の後輩たちが本人には内緒でミス・コリアに書類を送り、予選を合格したのだ。突然の出来事に戸惑ったウ・ヒジュンだったが「マイナースポーツであるカバディのことを多くの人に知ってもらえるいい機会だ」と考え直して出場を決意した。

普通はミス・コリア出場者は優勝目指して高額な費用をかけてウォーキングやスピーチなどのレッスンを受けるものだが、ウ・ヒジュンはそんなことはまったく知らずに予選前日までカバディの練習をしていた。予選当日もドレスではなく、白いTシャツにジーンズ、肌はカバディの練習でこんがりと小麦色という姿で審査員たちを驚かせたという。しかし、そのひと味違う魅力が好感を与え、見事決勝への出場が決定。

そしてウ・ヒジュンは、決勝では700倍の競争率を勝ち抜いて準優勝に相当するミス・コリア善に選ばれた(ミス・コリアは金メダル相当の「真」、銀メダル相当の「善」、銅メダル相当の「美」という3つの賞がある)。さらに同年、各国のミスコン代表が集まる「ミス・アース」に韓国代表として参加。韓国人としては初めてタレント賞、スポンサー賞の受賞も果たしている。

東京アメリカンクラブ
一夜だけ、会員制クラブの扉が開いた──東京アメリカンクラブ「バンケットショーケース」で出会う、理想のパーティー
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、いずれロシアとの交渉必要 「立場は日々

ビジネス

米経済「まちまち」、インフレ高すぎ 雇用に圧力=ミ

ワールド

EU通商担当、デミニミスの前倒し撤廃を提案 中国格

ビジネス

米NEC委員長、住宅価格対策を検討 政府閉鎖でGD
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 5
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 6
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 7
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    「ゴミみたいな感触...」タイタニック博物館で「ある…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中