最新記事
ミサイル

パトリオット開発者も驚くほど簡単に迎撃できる「無敵」のキンジャール、プーチンの「嘘」が明らかに

Ukraine Mocks Russia's 'Invincible' Kinzhal Missiles After Patriot Success

2023年6月19日(月)16時59分
ジェームス・ビッカートン

ウクライナ防空部隊が撃墜したキンジャールの残骸(5月12日、キーウ) Valentyn Ogirenko-REUTERS

<キンジャールはどんな攻撃も交わして標的に命中する極超音速ミサイルだと喧伝していたプーチンを笑う動画をウクライナが作成>

「無敵」のキンジャールは嘘、と揶揄するウクライナの動画

ロシアの極超音速ミサイル「キンジャール」は、ロシア政府流に言えば「無敵」の高性能ミサイルだ。だがアメリカ製の対空防衛システム「パトリオット」でかなりの数が迎撃されており、ウクライナ当局はキンジャールの性能を揶揄する動画を公開した。

ウクライナ戦略通信情報セキュリティセンター(CSCIS)が公開した動画によれば、ウクライナ側は過去2カ月で13発のキンジャールを撃ち落としたという。

キンジャールは空中発射型の弾道ミサイルだ。ロシアのメディアの報道によれば、音速の10倍の速さで飛ぶことができ、射程は2000キロメートルに及ぶという。キンジャールは通常、ミグ31K戦闘機から発射され、ロシア国営タス通信によれば、昨年3月にウクライナへの攻撃に初めて使われた。

だが今年4月以降、アメリカやドイツ、オランダから供与された米製地対空防空ミサイルシステム「パトリオット」がウクライナに配備されてからというもの、なかなか当たらなくなった。

「ロシアの言うことは嘘ばかり」

CSCISの動画は今月16日にツイッターに投稿されたもので、こんなメッセージが添えられている。「『キンジャール』は無敵だと聞いたことはあるだろうか? 動画を見れば真実が分かる」

動画はまず、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がキンジャールについて誇らしげに語る資料映像から始まり、続いてこんなメッセージが現れる。「『無敵の』キンジャール・ミサイルは驚異的な成果を上げられる、そして防空システムをかいくぐることさえできる、とロシアは信じさせようとした。だがロシアの言うことはどれも同じ......嘘っぱちだ」

「この2カ月の間に、ウクライナは13発のキンジャールをパトリオットで撃墜した。西側の兵器はウクライナ人を救い、ウクライナ人はロシアの神話を破壊している」

動画ではメッセージとともに、パトリオットの発射シーンや、キエフ市長がウクライナに向けて発射されたキンジャールの破片を手にする様子が映る。バックグラウンドには有名なジャズ曲「縁は異なもの」が流れている。

企業経営
ビジネスの成功だけでなく、他者への支援を...パートナーコ創設者が見出した「真の成功」の法則
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

プーチン氏、和平案「合意の基礎に」 ウ軍撤退なけれ

ワールド

ウクライナ、和平合意後も軍隊と安全保障の「保証」必

ビジネス

欧州外為市場=ドル週間で4カ月ぶり大幅安へ、米利下

ビジネス

ECB、利下げ急がず 緩和終了との主張も=10月理
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 8
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中