最新記事

動物虐待

ロシア兵が動物を略奪する映像に驚愕、木に吊るされた死骸も

Video of Russians stealing animals from Kherson zoo viewed 300k times

2022年11月15日(火)18時16分
クロエ・メイヤー

ウクライナから救出され、ハンガリーの動物園に引き取られた生後12週間の子ライオン、マジル Krisztina Fenyo-REUTERS

<「奴らにとっては殺しは娯楽なのだ」「人間を拷問し殺せないときは動物を殺す」と、虐待写真を投稿したウクライナ国防省は憤る>

ロシア政府は11月9日、ウクライナ南部ヘルソン州の州都ヘルソンとその周辺地域からの撤退を発表。その2日後の11日には、撤退を完了したことを明らかにした。その撤退ついでに、ロシア軍の兵士たちが動物園から動物を盗んでいく様子を撮影した動画が、インターネット上で大きな注目を集めている。

動画には、軍服姿のロシア兵たちが小型トラックの後ろにラマを乗せようと格闘する様子が映っている。1人の兵士が檻の中でアライグマを追い回し、うなり声を上げるアライグマの尻尾をつかんで捕まえる様子を捉えた場面もある。

ウクライナ内務省のアントン・ゲラシチェンコ顧問が、13日にツイッターに投稿したこの動画は、投稿から24時間も経たないうちに視聴回数が32万5000回を超えた。

ゲラシチェンコは動画に次のようにコメントしている。「ロシア兵はヘルソンから撤退する際、地元の動物園から動物を盗んでいった。最も注目すべきたアライグマだ。動画の中のアライグマは、全力で抵抗している」

【動画】ラマと格闘し、アライグマを追い回すロシア兵

動画がいつ、どこで撮影されたのか、独自に確認を取ることはできていない。

ワシントン・ポストによれば、盗まれたのはアライグマ7匹、メスのオオカミ2匹、複数のクジャク、ラマとロバ1頭ずつだという。

「食べるために盗んだ」?

問題の動画はあっという間に視聴回数を伸ばし、リツイートされた回数も3000回近くにのぼった。多くのインターネットユーザーは動画に戸惑いを覚え、ロシア軍は盗んだ動物をどうするつもりなのかと疑問に思った。

兵士たちが動物を手荒に扱った、あるいは傷つけた可能性もあると非難する声も多く、盗まれた動物はロシア軍の食糧にされるのではないかと案ずる声もあった。ロシア軍の兵士たちは食料不足で飢えており、給料もまともに支払われていないと報道されているためだ。

軍が撤退していく際には通常、後で敵に利用されないよう戦術兵器や装備品を持ち去るものなのに、ロシア軍がわざわざ動物園から動物を盗んだことにも驚きの声が上がった。

あるユーザーは次のようにコメントした。「情報を整理すると、つまりロシア軍は兵士や装備や兵器を置き去りにして行ったのに、動物園から動物を盗む暇はあったということか?」

この状況を滑稽だと感じた者もおり、インターネット上にはジョークやミームも出回った。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米金利、現行水準に「もう少し長く」維持する必要=ミ

ワールド

バイデン・トランプ氏、6月27日にTV討論会で対決

ワールド

ロシア、ウクライナ攻勢強める 北東部と南部で3集落

ワールド

米、台湾総統就任式に元政府高官派遣
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史も「韻」を踏む

  • 3

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダブルの「大合唱」

  • 4

    それでもインドは中国に勝てない...国内企業の投資意…

  • 5

    マーク・ザッカーバーグ氏インタビュー「なぜAIを無…

  • 6

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 7

    奇跡の成長に取り残された、韓国「貧困高齢者」の苦悩

  • 8

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    中国のホテルで「麻酔」を打たれ、体を「ギプスで固…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋戦争の敗北」を招いた日本社会の大きな弱点とは?

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 6

    「恋人に会いたい」歌姫テイラー・スウィフト...不必…

  • 7

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 8

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    ウクライナ防空の切り札「機関銃ドローン」、米追加…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中