最新記事

英王室

ヘンリー王子が自伝を執筆中──新たな「爆弾投下」に戦々恐々のイギリス王室

A Sensational Royal Story?

2022年7月27日(水)15時32分
ジャック・ロイストン
ヘンリー王子

バッシング続きのヘンリーが自ら真実を語る KARWAI TANGーWIREIMAGE/GETTY IMAGES

<今年後半にも出版されるという、ヘンリー王子の回顧録。「正確かつ完全なる真実の物語」には、何が書かれるのか? 衝撃度予測で大沸騰する、イギリス世論>

英ヘンリー王子が今年中にも出版すると発表した回顧録は、どの程度センセーショナルになるのか──イギリスはそんな噂で持ち切りだ。ヘンリーは「自らを形作った経験、冒険、喪失、そして人生の教訓を明確に説明する」べく執筆を進めているという。

ヘンリーが果たして王室への爆弾を投下するのだろうかと英メディアは推測を重ねるが、ヘンリー自身は「正確かつ完全なる真実の物語を直接自分で語る」と公言している。昨年7月の段階では、回顧録の刊行は「2022年後半」とされたが、いまだ正式な出版日は発表されていない。

発表から1年がたち、期待が高まるなか、英チャンネル5の討論番組でその内容について出演者が(勝手な)意見を戦わせた。ガーディアン紙コラムニストのオーウェン・ジョーンズは、「ヘンリーが回顧録で発言することを批判する人々は、普段は表現の自由を声高に叫んでいる人々だ」と言う。

「彼らは『人は言いたいことを何でも発言できるべき。でもヘンリーは話しては駄目』とでも言うかのようだ。ヘンリーだって望むことができるはず」

ラジオ司会者マイク・パリーは出版社との巨額契約金について触れ、「出版界では何億部もの売り上げが見込めなければ数千万ドルは出さない。故に、内容はセンセーショナルになる」と言う。

これに応じたのは、司会のクラウディアリザ・バンデルプイエ。「ヘンリーは『朝起きて、卵のせトーストを食べた』程度のことを書いて、それでも原稿料は3000万ドル、という可能性だってあると思う。彼は超有名人だから」

出版社の発表からは王室批判が描かれるのかどうかは読み取れないが、ヘンリーがメディアからの批判に応えようとしている様子は見て取れる。

プレスリリースはこう言及する。「公務や2度のアフガニスタン前線を含む軍務経験、夫や父になった喜びなど、子供時代から現在に至るまでの彼の人生を明らかにすることで、率直かつ魅惑的な人物像を明らかにし、読者が知ったつもりになっていたヘンリー像の裏に心動かされ勇気づけられる物語が潜んでいることを示したい」

いかにも真摯な宣言だが、それでも王室関係者は戦々恐々、英メディアが浮き足立つ状況は出版まで続きそうだ。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ南部オデーサに無人機攻撃、2人死亡・15

ビジネス

見通し実現なら利上げ、不確実性高く2%実現の確度で

ワールド

米下院、カリフォルニア州の環境規制承認取り消し法案

ワールド

韓国大統領代行が辞任、大統領選出馬の見通し
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 10
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中