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亡命

母国送還かコロナ感染か 米収容所の亡命希望者が突きつけられる残酷な選択

2020年7月14日(火)11時25分

母国送還に遅れも発生

一方、一部の移民の本国送還にも遅れが生じている。

亡命を申請していたグアテマラのティモテオ・ビンチェンテさんは、3月に亡命却下の裁定を受けたが、控訴しないことを選択した。理由の1つは、ワシントン州タコマのICE移民手続センターにおける医療体制が不十分であり、パンデミックへの対応能力という点で不安を感じるようになったからだ。

ICEとの契約に基づき同施設の管理事業者となっているGEOグループの代表者は発表文で「当社が対応しているすべての収容者、また当社職員の健康と安全を確保するために、最大限の真剣さをもって責任を果たしている」と述べている。

亡命申請の却下から3カ月、ビンチェンテさんはまだ収容施設で動きが取れないまま、本国送還を待っている。

ビンチェンテさんは収容センターからの電話で、「深みにはまってしまった」とロイターに語った。「この先どうなるのか分からない」

Laura Gottesdiener(翻訳:エァクレーレン)

[ロイター]


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