最新記事

米仏会談

トランプ、仏マクロン夫人に痴漢発言「肉体的に素晴らしい」

2017年7月14日(金)17時00分
ティム・マーチン

エッフェル塔にある有名レストランでトランプ夫妻をもてなすマクロン夫妻 Kevin Lamarque-REUTERS

<仏マクロン大統領より24歳年上のブリジット夫人に感嘆したトランプだが、出てきた言葉はやはり女性差別的だった>

フランスの首都パリを訪問したドナルド・トランプ米大統領は、エマニュエル・マクロン大統領夫妻との別れ際、ブリジット夫人の容姿について一言言わずにはいられなくなったようだ。

「マクロンとトランプがそれぞれ相手のファーストレディーに別れの挨拶をしたとき、トランプはブリジットをじろじろ見た」とAFP通信の記者アダム・プロウライトはツイートした。そして、両手でブリジットの体のラインを作るような仕草を見せて言った。

「素晴らしいスタイルだ。肉体的に素晴らしい。美しい」

(マクロン夫人に感激したトランプ「肉体的に素晴らしい」)


7月13日にパリに到着しブリジットと会って挨拶を交わした時から、トランプの態度はおかしかった。握手をしようと歩み寄ったはずなのに、軽いハグとチークキスに変わり、トランプはブリジットの手をがっちりと掴んで離さず、まるでビデオゲームのコントローラーのようにたぐり寄せた。トランプは金曜に行われるフランス革命記念日の祝賀式典の来賓として招かれ、24時間ほどパリに滞在する予定だ。

(握手のはずが、粘っこい挨拶に)


ブリジットのスタイルに対する称賛の言葉は、いかにも女性の容姿にこだわるトランプらしい。昔から女性の容姿にコメントするのが好きで、ホワイトハウスでもその習慣を止めていない。

メラニア夫人にも言っている

先月、トランプは大統領執務室でアイルランドのレオ・バラッカー首相と電話会談中、その場にいたアイルランド人の1人の女性記者に声をかけ、会談で彼女を話題にした。「ここに美しいアイルランドの記者がいる。笑顔が素敵だ。だから彼女はあなたのことをきっとよく書いてくれるはずだ」。

また、ツイッターで米MSNBCの情報番組の司会者ミカ・ブレジンスキーについて、過去に会った時に「美容整形のせいでひどく血が出ていた」と侮辱した。

トランプは大統領の座に就くまで、自分のライバルになりそうな女性候補者の容姿をことごとくけなしてきた。同じ共和党候補だった元ヒューレット・パッカードCEOのカーリー・フィオリーナについてこう言った。「あの顔を見てみろ!誰が投票するのか。あれが次期大統領の顔だなんて想像できるか?女性をけなすべきではないと言っても、まさか、冗談だろ?」

大統領選で民主党候補だったヒラリー・クリントンについても、「ヒラリーは見た目が大統領らしくない。国民には大統領らしい外見が必要だ」と言ったことがある。

トランプの若さや美しさへの強い執着は有名で、自分の妻のメラニアが妊娠したときも、スタイルが元に戻るなら子供を産んでいいと言ったといわれる。

マクロンの妻のブリジットは64歳で、夫より24歳年上のため、「年の割には」美しいという年齢差別の意図もあったと、オンライン雑誌スレートは書く。褒めるのはいいが、女性の魅力を肉体的な美しさだけに矮小化するのは女性差別だ。トランプに言っても無駄だろうか。

(翻訳:河原里香)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英住宅ローン融資、3月は4年ぶり大幅増 優遇税制の

ビジネス

LSEG、第1四半期収益は予想上回る 市場部門が好

ワールド

鉱物資源協定、ウクライナは米支援に国富削るとメドベ

ワールド

米、中国に関税交渉を打診 国営メディア報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中