英住宅ローン融資、3月は4年ぶり大幅増 優遇税制の終了控え

　５月１日、イングランド銀行（英中央銀行）が発表した３月の住宅ローン融資額は、一部の不動産購入に対する税制優遇措置の終了を控え、約４年ぶりの大幅な増加を記録した。写真は、住宅建設現場。２０２４年９月、イングランドのブレインで撮影（２０２５年　ロイター/Chris J. Ratcliffe）

[ロンドン １日 ロイター] - イングランド銀行（英中央銀行）が１日発表した３月の住宅ローン融資額は、一部の不動産購入に対する税制優遇措置の終了を控え、約４年ぶりの大幅な増加を記録した。

３月の住宅ローン融資額は１２９億６３００万ポンド（１７２億７０００万ドル）の純増。新型コロナウイルス流行で不動産市場が活発化した２０２１年６月以来の大幅増。２月は３３億０３００万ポンドの純増だった。

先行指標である３月の住宅ローン承認件数は６万４３０９件。２月の６万５０９３件からにわずかに減少し、市場予想の６万４８００件を小幅に下回った。

３月の消費者向け無担保融資は９億ポンドの純増。２月は１３億ポンドの純増。ロイターがまとめた市場予想は１２億ポンドの純増だった。

キャピタル・エコノミクスの英国エコノミスト、アシュリー・ウェブ氏は３月のデータについて、「米国の関税で高まった不確実性による消費者信頼感への打撃が本格的になる前に、家計支出が一段と慎重になっていることを示している」と述べた。

英中央銀行は来週利下げすると予想されている。ナイト・フランク・ファイナンスのマネジングパートナー、サイモン・ギャモン氏は「世界的な貿易政策の影響が弱まり英国経済が予想どおり進展すれば、住宅ローン金利の低下で年内には勢いが増すだろう」と述べた。