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トランプ大統領長男とロシアの陰にキッシンジャー氏

2017年7月12日(水)16時00分
遠藤誉(東京福祉大学国際交流センター長)

トランプの新政権移行期間中にも

以下はすでに公開されている情報だ。

トランプが大統領に当選したあとの11月14日、プーチンはトランプに電話をして会談を行なった。そしてトランプは盛んに「プーチンはいい奴だ」と言い、中国では「トランプとプーチンが口づけしているイラスト」がネットに溢れたほどだ。しかし、「二人の仲」は「ロシアゲート」疑惑により裂かれ、二人が「親密でない証拠」を見せるかのように、ロシアが後ろ盾になっているシリアを攻撃して見せている(今年4月6日)。

キッシンジャーは大統領選挙期間中だけでなく、当選後の新政権移行期間中である昨年11月17日にもトランプタワーを訪れ、トランプに会っている。そのとき娘婿のクシュナー氏やフリン氏も同席しており、キッシンジャーはトランプにフリンを大統領補佐官・国家安全保障担当に推薦した。フリンはすでにロシアゲートの疑いにより辞任。クシュナーはロシアゲートの捜査対象としてFBIにより指名されている。

今般のトランプの長男、ドナルド・トランプ・ジュニアは別行動でロシア関係者と接触したようだが、「2016年2月:キッシンジャー&プーチン会談、同年5月:キッシンジャー&トランプ会合、同年6月:ジュニア&ロシア人弁護士会合」という流れから見て、陰にキッシンジャーがいなかったと解釈する方が、むしろ困難だろう。
キッシンジャーにとって、外交経験のないトランプは格好の「利用対象」だったにちがいない。その闇は、まだまだ深い。

今後も、少しずつ、明らかにしていきたい。

endo-progile.jpg[執筆者]遠藤 誉
1941年中国生まれ。中国革命戦を経験し1953年に日本帰国。東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士。中国社会科学院社会科学研究所客員研究員・教授などを歴任。著書に『習近平vs.トランプ 世界を制するのは誰か』(飛鳥新社、7月20発売予定)『毛沢東 日本軍と共謀した男』(中文版も)『チャイナ・セブン <紅い皇帝>習近平』『チャイナ・ナイン 中国を動かす9人の男たち』『ネット大国中国 言論をめぐる攻防』など多数。

※当記事はYahoo!ニュース 個人からの転載です。

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