最新記事

ロシア疑惑

コミー前FBI長官「ロシア疑惑捜査妨害で解任」 司法妨害に言及せず

2017年6月9日(金)07時20分

解任された理由について尋ねられたコミー氏は、定かではないとしつつも、「大統領の言葉を文字通り受け取るのであれば、私が進めていたロシア関連の捜査の方法が何らかの圧力となり、大統領を苛立たせており、それが解任の理由となった」と述べた。

また、自身の解任後にトランプ政権がFBIは混乱し、FBI内で指導者に対する信任は失墜したとコメントしたことについては、自身とFBIを中傷したとして批判。「単純明白に嘘に過ぎない」と語った。

さらに「トランプ大統領が自身との会合について嘘をつくのではないかとの強い懸念があった」ことを理由に、トランプ大統領との会合後は毎回メモを残していたことも明らかにした。

また、同メモの写しを司法省外の複数の人物と共有すると同時に、「友人にメモの内容を記者に伝えるよう要請した」と表明。同メモは「コロンビア大学の法学部教授」と共有した述べた。コミー氏が言及した教授はダニエル・リッチマン教授であると見られ、同教授はロイターの取材に対しその旨を確認した。

トランプ大統領が依然示唆していた会話を録音したテープについては、コミー氏は存在するかどうか認識していないとしつつも、「テープがあることを願う」とし、存在するのであれば公開すべきと語った。

トランプ大統領はこの日、支持者への演説で「われわれは包囲攻撃されているが、これを切り抜けた後はこれまでに以上に強靭になる」と言明。「われわれは戦いの術を心得ており、決して諦めはしない」と強調した。

トランプ大統領が選任した外部弁護士のマーク・カソウィッツ氏はコミー氏の証言について、トランプ氏は捜査の対象になっていないこと、また昨年の大統領選でロシアによる介入で操作された票は1票もないことが証明されたと指摘。コミー氏が述べたようトランプ氏が忠誠を誓うよう求めたこともないと述べた。

そのうえでコミー氏が大統領との会話の内容を外部に漏らしたことを非難。こうした情報漏えいについて調査する必要があるかの判断は適切な当局に委ねると述べた。

コミー氏の証言中、大統領の息子ドナルド・トランプ・ジュニア氏はコミー氏を攻撃する内容のツイートを複数発信。一方、ツイッターへの頻繁な投稿で知られるトランプ大統領自身からのつぶやきは聞かれなかった。

[ワシントン 8日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2017トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米雇用統計、4月予想上回る17.7万人増 失業率4

ワールド

ドイツ情報機関、極右政党AfDを「過激派」に指定

ビジネス

ユーロ圏CPI、4月はサービス上昇でコア加速 6月

ワールド

ガザ支援の民間船舶に無人機攻撃、NGOはイスラエル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 5
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 6
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 7
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 8
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 9
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 8
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 9
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 10
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中