最新記事

ワークプレイス

「エゴを持たない」食材宅配サービスのスタートアップ

2017年5月26日(金)12時40分
WORKSIGHT

wsHellofresh170526-4.jpg

そこかしこでフランクな打ち合わせが行われている。

wsHellofresh170526-5.jpg

社内はどこを見てもオーガニックな雰囲気で統一されている。

HelloFreshを、世界に通用するブランドに

カルチャーを浸透させるためのイベントは、他にもある。料理撮影の様子を見学したり、物流センターを訪れて物流の仕事を学んだり、ダイレクトセールスの様子を見学してプロモーションの仕事を学んだり、自己の業務では見られない現場を体感する。こうした取り組みを通じて、普段直接交流のない社員同士のコミュニケーションを促進させるのが狙いだ。ステファン氏の企画で、ヨガ教室やドイツ語教室も行われているそう。「海外から来る社員が多いこともあり、ドイツ語教室は特に人気がありますね」(ラーケン氏)。変わったところでは、「ブラインドデート」という取り組みも。ランダムに選ばれた社員同士が一緒にランチをとるというもので、コミュニケーションの促進に一役買っている。

こうしたカルチャー面だけでなく、外国人の社員のためにビザを取ったり、住居を用意するなどのハード面のサポートも、もちろん充実している。いずれも応募者が安心してベルリンに来ることができるように整備した仕組みだ。

「週末に新入社員を連れてベルリンの街を案内する『Explore Berlin』というイベントも行われています。HelloFreshのカルチャーを知ってもらうことはもちろん大切ですが、これから働くベルリンの街についても知っておいてほしいですからね」(ステファン氏)

これほどまで世界中から人材が集まるHelloFreshが拠点を置くベルリンという街にはどんな魅力があるのだろう。「ベルリンには、多くのユニークなレストランやマーケットが集積しており、飲食業界全体が盛り上がっています。しかも、他の大都市と比べると手頃な価格で提供されているのです。2016年の夏にTech Open Airが開催されたように、ベルリンはインスピレーションで溢れています。テック関連のスタートアップに適した場所だと言えるでしょう。ヨーロッパにおいて社会的に安定しているという点も、海外からの人材が集まる理由かもしれませんね」(ラーケン氏)

ネットワーキングで経営課題解決

「さらに、私たちのようなレベルの企業にとっては、ベルリンにおけるネットワーキングはとても大切な手段です。ベルリンにはコワーキングスペースがたくさんあり、いくつかのスタートアップがその場を共有するということもよくありますよ」(ステファン氏)。実際、HelloFreshにもそうした例はあるそうだ。

wsHellofresh170526-6.jpg

どんな人がどんな部署で働いているのかがひと目でわかる掲示。

wsHellofresh170526-7.jpg

建物はもともとパン工場。天井の高さにその名残が見える。

【参考記事】ドイツ発「インダストリー4.0」が製造業を変える

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税の影響で

ワールド

トランプ氏、ウォルツ大統領補佐官解任へ=関係筋

ビジネス

物言う株主サード・ポイント、USスチール株保有 日

ビジネス

マクドナルド、世界の四半期既存店売上高が予想外の減
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中