最新記事

アフガニスタン

病院テロが物語るISISのアフガニスタン浸透度

2017年3月16日(木)11時00分
ロビー・グレイマー

治安部隊がヘリコプターで屋上から突入する様子 Mohammad Ismail-REUTERS

<首都カブールで発生した軍病院へのテロは、ISISがアフガニスタンで急速に足場を固めている証拠となるおそれが>

アフガニスタンの病院を襲撃したのは、白衣の医師に扮した戦闘員だった。先週、首都カブール最大の軍病院であるサルダル・ダウド・ハーン病院の正門付近で自爆テロが発生。次いで侵入した武装集団が患者や医療関係者ら30人以上を殺害し、50人以上が負傷した。

病院関係者は「武装集団の1人は白衣を着てカラシニコフを抱え、誰かれ構わず発砲した」と語っている。

治安部隊がヘリコプターで屋上から突入し(文頭写真)、数時間の銃撃戦で武装集団全員を射殺。その間、多くの患者らが銃弾の飛び交う院内に取り残された。

アフガン駐留のNATO軍と米軍を率いるジョン・ニコルソン司令官は「筆舌に尽くし難い犯罪」と発言。アフガニスタンのガニ大統領は「病院への攻撃はこの国のあらゆる人々への攻撃に匹敵する」と非難した。

【参考記事】ISISが中国にテロ予告

今回の襲撃については、タリバンが関与を否定する一方で、テロ組織ISIS(自称イスラム国)が犯行声明を出している。これは、ISISがアフガニスタンで急速に足場を固めつつある大きな証拠かもしれない。

ISISの関与が確認されれば、テロ集団を抑え込んでいるというアフガニスタン政府の主張は崩れてしまう。これまで政府は、巧妙化する一方のテロを食い止めるのに苦戦してきた。

ISISは2015年、アフガニスタンとパキスタンに「支部」を設立したと宣言。以来、タリバンと並行して数々のテロを実行してきた。カブールで昨年7月と今年2月に発生した自爆テロでも、ISISが犯行声明を出している。

ISISとタリバンは連携していないにしても、互いに影響し張り合っているのは事実だろう。ISISは今回初めて、自爆攻撃で正門を開き、他の戦闘員が建物に突入するという手法を取った。これはまさに、タリバンの戦術だ。

From Foreign Policy Magazine

[2017年3月21日号掲載]

ニュース速報

ワールド

経済連携協定は成長エンジン、TPP11早期合意目指

ビジネス

タクシーはセダンからワゴンへ、トヨタが新型車発売 

ビジネス

焦点:日経平均が最長の15連騰、与党勝利の安心感 

ワールド

フィリピン、マラウィでの作戦終了宣言 IS系勢力を

MAGAZINE

特集:中国予測はなぜ間違うのか

2017-10・24号(10/17発売)

何度も崩壊を予想されながら、終わらない共産党支配──。中国の未来を正しく読み解くために知っておくべきこと

グローバル人材を目指す

人気ランキング

  • 1

    生理の血は青くない──業界のタブーを破った英CMの過激度

  • 2

    国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料まとめ・前編)

  • 3

    国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料まとめ・後編)

  • 4

    国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料ま…

  • 5

    早わかり衆院選 主な争点別の各党の選挙公約

  • 6

    性的欲望をかきたてるものは人によってこんなに違う

  • 7

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 8

    「ヒュッゲ」ブームの火付け役が日本人に伝えたい幸…

  • 9

    衆院選、自公が300議席超えか 希望は伸び悩み・立憲…

  • 10

    年内にも発売されるセックスロボット、英研究者が禁…

  • 1

    iPhoneX(テン)購入を戸惑わせる4つの欠点

  • 2

    国民審査を受ける裁判官はどんな人物か(判断材料まとめ・前編)

  • 3

    生理の血は青くない──業界のタブーを破った英CMの過激度

  • 4

    ポルノ王がトランプの首に11億円の懸賞金!

  • 5

    トランプ、金正恩の斬首部隊を韓国へ 北朝鮮に加え…

  • 6

    性的欲望をかきたてるものは人によってこんなに違う

  • 7

    iPhone8はなぜ売れないのか

  • 8

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 9

    NYの電車内で iPhoneの「AirDrop」を使った迷惑行為…

  • 10

    「お母さんがねたので死にます」と自殺した子の母と…

  • 1

    「クラスで一番の美人は金正恩の性奴隷になった」

  • 2

    「北朝鮮はテロリストだ」 北で拘束された息子は異様な姿で帰国し死んだ

  • 3

    北朝鮮はなぜ日本を狙い始めたのか

  • 4

    「金正恩の戦略は失敗した」増大する北朝鮮国民の危…

  • 5

    トランプの挑発が、戦いたくない金正恩を先制攻撃に…

  • 6

    米軍は北朝鮮を攻撃できない

  • 7

    中国が北朝鮮を攻撃する可能性が再び----米中の「北…

  • 8

    米朝戦争が起きたら犠牲者は何人になるのか

  • 9

    北朝鮮の女子大生が拷問に耐えきれず選んだ道とは...

  • 10

    iPhoneX(テン)購入を戸惑わせる4つの欠点

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

全く新しい政治塾開講。あなたも、政治しちゃおう。
日本再発見 シーズン2
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
メールマガジン登録
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版 特別編集

最新版 アルツハイマー入門

絶賛発売中!

STORIES ARCHIVE

  • 2017年10月
  • 2017年9月
  • 2017年8月
  • 2017年7月
  • 2017年6月
  • 2017年5月