最新記事

次期大統領

軍拡競争起こればいい、米国は勝つ─トランプ氏

2016年12月24日(土)07時54分

12月23日、トランプ氏は「軍拡競争が起こるなら起こればいい」と述べた。写真はニューヨークで先月撮影(2016年 ロイター/Carlo Allegri)

トランプ次期米大統領は核戦力を増強すべきとの発言について説明を求められ、「軍拡競争が起こるなら起こればいい」、米国は勝つと述べた。MSNBCが23日、報じた。

トランプ氏は前日、ツイッターで、米国は世界が分別を取り戻すまで「核兵器の能力を大きく拡張、強化すべき」と述べていた。これに先立ち、ロシアのプーチン大統領は「軍の戦略的核戦力を強化する」と述べており、これを受けたものと見られている。

MSNBCによると、トランプ氏は電話取材で前日の発言について詳細を求められると、「軍拡競争が起こるなら起こればいい。われわれはあらゆる面で勝り、最後まで生き残る」と述べた。ロシア・中国との軍拡競争も意に介することはないとの立場を示し、米国は勝利すると誇ったとしている。

トランプ、プーチン両氏は、米ロ関係の修復に取り組む姿勢を示している。だが、トランプ氏の核兵器をめぐる一連の発言は、総じてプーチン大統領に向けられているもようで、関係改善が容易ではないことを示唆している。

トランプ氏が前日、ツイッターに投稿した内容について、プーチン氏は23日の年次記者会見で、新しく特筆すべき内容は無いと指摘、米国を侵略国として認識していないと明言した。

「軍拡競争を仕掛ける者がいたら、ロシアではない。われわれは軍拡競争に資源を注ぐ余裕はない」とした。

トランプ氏は23日、声明を出し、プーチン氏から今月、「非常に素敵な書簡」が届いたと明らかにした。両国関係の強化を呼び掛ける内容だったという。

トランプ氏から大統領報道官に指名されたショーン・スパイサー氏は複数のテレビ番組に出演し、次期大統領はロシアや中国など他国が核戦力の増強に動かないよう確実にするとし、軍拡競争は起こらないと述べた。

「次期大統領は、静観し許容することはないとの自身のメッセージを各国がきちんと理解するようにする」とし、「そのため彼らは分別を取り戻し、深刻な事態には至らない」と語った。



[ウェストパームビーチ(米フロリダ州)/モスクワ 23日 ロイター]


120x28 Reuters.gif

Copyright (C) 2016トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

英住宅ローン融資、3月は4年ぶり大幅増 優遇税制の

ビジネス

LSEG、第1四半期収益は予想上回る 市場部門が好

ワールド

鉱物資源協定、ウクライナは米支援に国富削るとメドベ

ワールド

米、中国に関税交渉を打診 国営メディア報道
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 9
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 10
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 7
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 8
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 9
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 10
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中