最新記事

日本政治

「アベノミクスは消失」経済界の7割が厳しい批判、参院選は「現状維持を望む」

2016年6月22日(水)18時14分

いつまで待てば成果は出るのか?  6月22日、6月のロイター企業調査によると、アベノミクスについて「後退」ないし「消失している」との見方が合わせて7割を占めた。都内で21日撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)

 6月のロイター企業調査によると、アベノミクスについて「後退」ないし「消失している」との見方が合わせて7割を占めた。一方、7月の参院選挙では議席の「現状維持」が望ましいとの回答が4割と多数を占めた。

 安倍晋三首相の政権運営に懸念の声はあるものの、野党は実力不足との見方が強い。消費増税延期を支持すると回答した企業は6割を占めた。ただ社会保障への不安が解消されず、消費刺激効果は限定的とみられている。

 この調査はロイター短観と同じ期間・対象企業で実施。資本金10億円以上の中堅・大企業400社を対象に6月6日─16日に実施。調査対象企業は400社で、うち回答社数は245社程度。

アベノミクスに厳しい評価、参院選は「現状維持」多数

 参院選で自民党は「アベノミクスの継続」を訴える方針だが、「アベノミクスは後退している」との見方が59%、「消失している」との見方も11%に達するなど、回答企業の7割が現在のアベノミクスに厳しい評価を下している。3年半の間で成果は十分に出ていないとみられており、昨年10月の調査(後退66%、消失6%)とほぼ同様の結果となった。「株価や円安に頼っていた面が大きいため、これらが逆転すると厳しい」(機械)、「構造改革や成長戦略が進展していない」(多数)との見方が多い。

 一方、参院選の結果として望ましいのは「現状維持」が最も多く41%を占めた。次いで「与党の議席増加」が34%。「野党には政策実現力がない」(機械)、「野党の議席増加で政策の停滞を招けば日本経済は即失速するだろう」(卸売)など、野党への信頼度の低さが表れている。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国非製造業PMI、4月は51.2 拡大ペース鈍化

ワールド

原油先物は小幅続落、ガザ停戦協議受け 米FOMCに

ビジネス

仏ロクシタン、株式を非公開化 18億米ドルで香港上

ワールド

インドネシアのルアン火山が再び噴火、警戒最高レベル
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる4択クイズ

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    メーガン妃の「限定いちごジャム」を贈られた「問題…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「瞬時に痛みが走った...」ヨガ中に猛毒ヘビに襲われ…

  • 8

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 9

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 10

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 4

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 5

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 8

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 9

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    「誰かが嘘をついている」――米メディアは大谷翔平の…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中