古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見...「ペットとの温かい絆」とは言えない事情が

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<ペットと飼い主の絆は何世紀も前から? イタリアの遺跡から発見された「人間と動物」がセットになった埋葬の様式には、悲しい現実もあったようだ>
イタリア北部ベローナで発見された2000年以上前の広大な埋葬地から、人間と動物が共に埋葬されているのが発見された。見つかった遺体は161体だが、うち16体は犬や馬と一緒だったと、研究者らは科学誌PLOS ONEで発表。これらの動物は、埋葬された人のペットか、大切な存在だった可能性があるという。
■【写真】ベローナの埋葬地で発見された「人間と犬が一緒に埋葬された」遺跡の実際の様子
遺体の1つは赤ちゃんのもので、犬の全身の骨格と一緒に埋葬されていた。馬の一部と若い男性や、小型犬と中年男性、馬と中年女性などの組み合わせもあった。
ただ、温かな絆とばかりも言っていられない。発見された犬は、おそらく埋葬のためにいけにえにされた可能性が高いと研究者らは指摘する。「犬を冥界への案内役と捉えた痕跡は古代エジプトやスカンディナビアなど、時と場所を超え世界中で発見されている」
Reference
Laffranchi Z, Zingale S, Tecchiati U, Amato A, Coia V, Paladin A, et al. (2024) "Until death do us part". A multidisciplinary study on human- Animal co- burials from the Late Iron Age necropolis of Seminario Vescovile in Verona (Northern Italy, 3rd-1st c. BCE). PLoS ONE 19(2): e0293434. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0293434