最新記事
考古学

謎に包まれた7世紀の古戦場...正確な場所を突き止めた「アメリカのスパイ」の意外な正体

2025年4月24日(木)08時00分
アリストス・ジョージャウ(科学担当)
ざっくりとしかわからなかった古戦場の位置が、相当正確に絞り込まれた(画像はイメージ) 

ざっくりとしかわからなかった古戦場の位置が、相当正確に絞り込まれた(画像はイメージ) zef art-shutterstock

<イスラム世界で重要な意味を持つカーディシーヤの戦い。今回割り出された古戦場の位置の誤差は「半径1キロ以内」>

7世紀のイラクで、アラブ人のイスラム教徒の軍隊がササン朝ペルシアに大勝した「カーディシーヤの戦い」。これまで正確な場所は分かっていなかったが、イギリスとイラクの研究チームが戦場の最有力候補を特定した。


ヒントになったのは、1970年代のアメリカのスパイ衛星画像だ。

【画像】実際のスパイ衛星画像とその解析結果

この時期の衛星画像(既に機密指定は解除されている)を分析したのは、農地や都市の開発がまだ進んでおらず、過去の構造物などの名残が確認できるからだ。

「カーディシーヤの戦いはイスラム世界にとって、文化的に非常に大きな意味を持つ」と、研究チームの1人で英ダラム大学のウィリアム・デッドマンは本誌に語った。その後、イスラム帝国がアフリカや欧州、アジアまで拡大する端緒となった戦いだからだ。

歴史書の記述から、古戦場の大ざっぱな場所は分かっていた。だがデッドマンによれば、今回の研究により場所は半径1キロ以内と「非常に正確に」絞り込まれた。ナジャフ県の町クーファの南、約30キロの地点だ。

一方でイラク側の研究チームは画像分析の結果を確かめるために現地調査を行った。「現地では、まさにこの時代の特徴を持つ陶器が見つかった。私たちの発見のさらなる裏付けが出てきたと言える」

メンバーシップ無料
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、真珠湾攻撃引き合いに イラン攻撃巡り

ワールド

トランプ氏、中東への米軍追加派遣否定 対イラン作戦

ビジネス

米新規失業保険申請、8000件減の20.5万件 金

ビジネス

ECB6会合連続で据え置き、中東情勢で物価リスク 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中