NASAが監視する直径150メートル超えの「潜在的に危険な天体」とは?
NASA Tracking Building-Sized Asteroid Nearing Earth
NASAは4月4日、「2025 GH」と呼ばれる小惑星を注視していると発表した。航空機ほどの大きさのこの小惑星は同日、時速4万5991マイル(約7万4000キロメートル)ほどで地球付近を通過した。
こうした小惑星のほとんどは、地球の近くを通過していくだけで、さほど注目されない。しかし、2024年12月27日に発見された小惑星「2024 YR4」は大きく報道された。わずかではあるが、地球に衝突する恐れがあったためだ。
2024 YR4は発見後、綿密な監視下に置かれた。2025年に入って厳密に観測した結果、「この大きさの小惑星としては、衝撃確率が史上最大」であることが判明したためだ。
2月18日時点では、2024 YR4は、2032年に3.1%の確率で地球に衝突する可能性があるとされた。NASAはその際、「2024 YR4が2032年12月22日時点で位置すると思われる範囲は地球から遠ざかった」と述べていた。
しかし、2月24日になるとNASAは、「地球近傍小惑星である2024 YR4が、近い将来に地球に衝突するリスクを大幅に引き下げた」と発表した。
小惑星は、およそ46億年前に太陽系が形成された当初の残骸で、空気を含まない岩石質でできている。その大半はアステロイドベルト(火星の公転軌道と木星の公転軌道の間に存在する小惑星帯)で見つかっているが、なかには、4月11日に地球付近を通過した2023 KUのように、軌道の影響で地球に接近する場合もある。
こうした小惑星は、大きさがまちまちであり、観測することによって、太陽系の成り立ちに関する貴重な見識が得られる。また、小惑星が地球に及ぼし得る潜在的リスクを知る手掛かりにもなる。