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晩酌

「毎日が人生最後の日」だと思って酒を飲む...84歳医師が語る心優先の健康法

2026年3月1日(日)16時51分
和田 秀樹 (精神科医*PRESIDENT Onlineからの転載 )

身体に良いことより心に良いこと

【帯津】お年寄りはこれまで、人のため、家族のため、社会のために生きてきたんだから今後は自分のために時間を使う。もっと楽しんで、自分を慈しんでほしいですね。

【和田】僕の知人が82歳で肺ガンが見つかり医師から「もう手遅れだ」と言われたそうです。その人すごいヘビースモーカーなんですよ。余命宣告で相当ショックなのに、愉しみのタバコまで取り上げられて、すっかり意気消沈しちゃいましてね。


【帯津】そうですよね。

【和田】だけどある日、開き直って吸い出したんです。「俺はタバコのせいでガンになったのかもしれないけど、タバコのせいで進行するとは限らない」って。

【帯津】いいですね。

【和田】そしたら元気になって。結局タバコを吸い続け92歳で亡くなったんですけど。

【帯津】ほおー、大往生ですね。

【和田】ガンじゃなく、くも膜下出血で亡くなったんです。でも死因はなんであれ、人間はいつか必ず死にますからね。好きなタバコを吸って長生きしたんだから、満足だと思いますよ。

【帯津】ベッドの上で天井を見つめながら人生の幕を閉じるのではなく、元気なまま、ある日突然、コロリと逝ったんですからね。いいじゃないですか。

【和田】同感です。やっぱり、美味しいものを食べたり、楽しいことをしながら生きたいと、僕は思いますけどね。

【帯津】ガンの患者さんで「あそこの病院に行けば酒が飲めそうだ」ってうちの病院に移ってくる人がいるんですよ。

【和田】いいですね。

葬式の「飲みかけの焼酎」が教えてくれた

【帯津】ある作家の方でね、食道ガンがかなり進行して、他の病院から移ってきた方がいました。「先生お願いします」って言われて、この人飲みたいんだなとピンときた。で、焼酎を1本持っていったんですよ。そしたら嬉しそうに布団の中に隠してね(笑)。

【和田】いいですね(笑)。

【帯津】何日かしたら「先生もう飲んじゃったよ」って言うので、今度は「百年の孤独」という焼酎を持っていったの。喜びましたよ。だけど全部飲み終わらないうちに亡くなったんですね。そしたらなんと葬儀の時、お焼香台にその飲みかけの「百年の孤独」が立っていたそうです。

【和田】いい話ですね。この病気になったら終わりじゃなく、この病気でも残りの人生を楽しもうという生き方ですよね。人間ってやっぱり希望や喜びがあると、生きる気力みたいなのが出てきますからね。

【帯津】はい。私も前に和田先生から「糖が高いほうがいい」とか「コレステロールが高いほうが長生きする」って教わったでしょ。ああいう話は本当に嬉しいよね。心が明るくなって元気が出てきましたからね。

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※当記事は「PRESIDENT Online」からの転載記事です。元記事はこちら
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