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認知症

何気ない日常に潜む「認知症の兆候」──見逃せない3つの変化とは

2025年8月8日(金)10時11分
松尾拓也(行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家)*東洋経済オンラインからの転載

ここまでをまとめると、認知症に至りがちな人の生活の特徴は、次のようになります。


①モノを捨てられなくなる

→モノの取捨選択ができず、片づけられなくなる

②キッチンを使わなくなる

→料理が苦手になり、弁当や菓子パンなどに頼ることが増える

③社会的判断ができなくなる

→お金の使い方が下手になり、公的サービスなどにうまくつながれなくなる

これらの状態が進み、QOL(Quality of Life:生活の質)が著しく下がってしまったら、施設入居を視野に入れるべきだと私は思います。


日々の家事がこなせている間は、ひとまず大丈夫

ただし、あまり不安になりすぎないことも大切です。

年をとれば、多少の物忘れなどは誰でもあるもの。片づけ、炊事、洗濯などの一般的な家事がこなせて、ある程度の人付き合いや金銭管理ができているのであれば、ひとまず安心といえるでしょう。

「ちょっとおかしいな」「明らかに昔と違うな」という点があれば、①〜③の兆候について、周囲の人がこまめに気をつけて、生活をサポートしてほしいと思います。

家族が同居・近居であれば安心ですが、難しい場合は、元気なうちから、福祉の窓口(地域包括支援センターなど)や、信頼できる行政書士や司法書士などで終活サポート業務を行っている専門家(地元で長く商売をしている人がベスト)に相談してみるといった「準備」をはじめておきましょう。

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※当記事は「東洋経済オンライン」からの転載記事です。元記事はこちら
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