何気ない日常に潜む「認知症の兆候」──見逃せない3つの変化とは
ここまでをまとめると、認知症に至りがちな人の生活の特徴は、次のようになります。
①モノを捨てられなくなる
→モノの取捨選択ができず、片づけられなくなる
②キッチンを使わなくなる
→料理が苦手になり、弁当や菓子パンなどに頼ることが増える
③社会的判断ができなくなる
→お金の使い方が下手になり、公的サービスなどにうまくつながれなくなる
これらの状態が進み、QOL(Quality of Life:生活の質)が著しく下がってしまったら、施設入居を視野に入れるべきだと私は思います。
日々の家事がこなせている間は、ひとまず大丈夫
ただし、あまり不安になりすぎないことも大切です。
年をとれば、多少の物忘れなどは誰でもあるもの。片づけ、炊事、洗濯などの一般的な家事がこなせて、ある程度の人付き合いや金銭管理ができているのであれば、ひとまず安心といえるでしょう。
「ちょっとおかしいな」「明らかに昔と違うな」という点があれば、①〜③の兆候について、周囲の人がこまめに気をつけて、生活をサポートしてほしいと思います。
家族が同居・近居であれば安心ですが、難しい場合は、元気なうちから、福祉の窓口(地域包括支援センターなど)や、信頼できる行政書士や司法書士などで終活サポート業務を行っている専門家(地元で長く商売をしている人がベスト)に相談してみるといった「準備」をはじめておきましょう。
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