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認知症

何気ない日常に潜む「認知症の兆候」──見逃せない3つの変化とは

2025年8月8日(金)10時11分
松尾拓也(行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家)*東洋経済オンラインからの転載

そして3つめは「社会的な判断ができなくなる」です。

【3】社会的な判断ができなくなる

たとえば、年金などの所得や十分な貯蓄があっても、お金をうまく使えない人が増えてきます。

私がサポートやご相談でお伺いする場合、もちろんお財布の中身をのぞくようなことはしませんが、お話を聞いたり、生活ぶりを拝見してそう感じるのです。とくに昨今はキャッシュレス化が進み、高齢者にとってはますますお金の使い方が難しくなっています。


また、社会的な判断力が低下することによって、自分たちだけでは介護サービスにうまくつながれないなどの弊害も出てきます。

「詐欺被害のリスク」も大きくなる

高齢者をねらった詐欺犯罪などで多額の被害が発生していますが、これは認知機能の衰えから、正しい判断力が失われることも大きな理由のひとつでしょう。

ですから「こんな詐欺にあうなんてバカだ」で片づけないでほしいのです。

若い頃は聡明だった人や、経営判断にすぐれた経営者であっても、年をとればそういった能力がだんだん鈍ってしまうもの。

メリット・デメリットを判断してジャッジすることが難しくなり、訪問販売や営業に来た人の話に簡単に乗ってしまうこともあるのです。

若い頃は「私は詐欺になんて絶対にひっかからない」と豪語していた人でも、高齢になり、認知機能が衰えれば、「詐欺被害」は他人事ではありません。

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アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

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