最新記事
BOOKS

なぜ大衆はナチスに傾倒してしまったのか? 『全体主義の起源』と倫理思想【3分だけ哲学】

2025年5月13日(火)16時30分
富増章成
ペンギンの群れ

この地上に生きる人は1人ではなく、多数の人々という公共性の概念が損なわれないように(画像はイメージです): flutie8211_pixabay

<ヒトラー政権下に亡命したユダヤ人哲学者・アーレントの研究を知れば、同じようなことは二度と起きるわけがない、などと他人事では済ませなくなる>

哲学を知らない人は損をしている。哲学は人生論などではなく、最強かつ万能のリベラルアーツだからだ。政治、経済、芸術、宗教、言語、自然科学、歴史、心理学など、哲学とは「いまあるあらゆる知識を分析する学問」だ。1日たった3分でおさえておきたい哲学を俯瞰する『この世界を生きる哲学大全』(CEメディアハウス)より紹介する。

◇ ◇ ◇


ハンナ・アーレント(1906〜1975年): ドイツ生まれのユダヤ人政治哲学者・思想家。『イェルサレムのアイヒマン』などの著作が社会に大きな影響を与えた。

エマニュエル・レヴィナス(1906〜1995年): フランスの哲学者。フッサールやハイデガーの現象学に影響を受け、独自の倫理学で他者論を唱える。著書『全体性と無限』など。

大衆がなぜナチスに傾倒したのかを書いた本

ドイツ出身のユダヤ人哲学者・思想家であるハンナ・アーレントは、ヒトラーが政権を握ると、1933 年にパリに亡命しました。1940年にフランスがドイツに降伏したので脱出し、1941 年にニューヨークに亡命します。そして、1951年に『全体主義の起原』を著しました。

これは、帰属意識を失って孤立した大衆が、ナチスの人種的イデオロギーに所在感をもとめていく過程を分析した内容です。アーレントによると、19世紀のヨーロッパは文化的な連帯によって結びついた国民国家となっていました。

まちづくり
川崎が「次世代都市モデルの世界的ベンチマーク」に──「世界に類を見ない」アリーナシティプロジェクトの魅力
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、訪中「約1カ月」延期要請 対イラン作戦

ワールド

米・イラン、ここ数日で直接対話再開か アラグチ外相

ビジネス

再送米国株式市場=急反発、AI関連銘柄が高い 原油

ワールド

IEA、備蓄追加放出も ホルムズ海峡再開が鍵=事務
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったのか?
  • 3
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在の価値でどれくらい? 誰が何のために埋めた?
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体に…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中