最新記事
結婚

日本の若者はなぜ結婚をしなくなったのか? 「不本意未婚」が4割以上...変化したのは価値観ではなく「環境構造」

2024年7月23日(火)17時56分
荒川 和久(独身研究家、コラムニスト)*東洋経済オンラインからの転載

現代の婚姻数が大幅に減少しているのは、個々人の意識の問題ではなく、結婚のハードルがあがったという構造の問題としてとらえるべきです。婚姻減は、「一生結婚しない」という選択的非婚が増えているからだけではなく、同時に、「結婚したいのにできない」という不本意未婚が増えているという事実が隠れています。

結婚を希望する未婚男女がどのくらいその希望を達成できたかの推移をみると、1990年代は男性で8割、女性はほぼ10割達成できていたのに、2015~2019年においては、男女とも6割を切るようになっています。つまり、不本意未婚が4割以上に増えているということです。

日本の若者が結婚しなくなった「本当の理由」データ3

【年収という視点でデータを深掘りすると...】

さらに深掘りして、年収別に20~30代男女の結婚を希望する未婚人口と実際に結婚した既婚人口との差を比較してみます。

出生動向基本調査には、年収別の結婚意思データがないため、2020年に私が独自に調査した未婚男性20~30代の年収別結婚前向き率のデータを2020年国勢調査の20~30代未既人口に掛け合わせて、「結婚に前向きな未婚人口」を算出し、既婚人口の年収別人口とどれくらい差があるのかをグラフ化しました。

日本の若者が結婚しなくなった「本当の理由」データ4
newsweekjp_20240723031319.png

結婚に前向きな未婚者が全員結婚できているわけではなく、特に男性に顕著ですが、年収500万円未満の層だけが、「結婚したいのに未婚のまま」となっていることがわかります。その差が最大になるのが年収300万円台の層で、未既婚関係なく20~30代全体からいえばまさに人口ボリュームの多い中間層の不本意未婚だけが増えているということになります。むしろ、年収500万円以上の男性は、特に「結婚したい」という意思がなくても「気が付いたら結婚していた」ということにもなります。

女性も同様で、年収200~400万円の中間層だけがマイナスとなっていますが、女性の場合、結婚または妊娠・出産のタイミングで離職する場合もあるので、その点の留意は必要です。とはいえ、女性の場合は男性ほどの大きな既婚との差はありません。年収による不本意未婚への影響は、今のところ年収中間層以下の男性だけに偏っていると見るべきでしょう。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏 、 ホルムズ海峡に多くの国が軍艦派遣と

ビジネス

イラン情勢注視続く、FRB金利見通しも焦点=今週の

ワールド

イスラエル、レバノンと数日内に協議へ ヒズボラと戦

ワールド

北朝鮮の金総書記、多連装ロケット砲の発射訓練視察=
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 3
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 4
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 5
    「筋肉はモッツァレラと同じ」...なぜウォーミングア…
  • 6
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 7
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈…
  • 8
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 9
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 10
    幼い子供たちの「おぞましい変化」を克明に記録...「…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中