筋トレ、読書、英語...。習慣化により新しい挑戦に成功する「1日1分」で自分を変える方法

2024年6月21日(金)17時23分
名郷根 修(エグゼクティブ・コーチ/株式会社ハイパフォーマンス代表取締役)*東洋経済オンラインからの転載

大きな一度きりの努力ではなく、毎日少しずつ進むことで、目標達成への取り組みが持続的に続けられ、挫折を防ぐ効果があります。

また、少しずつでも目標を達成することで、脳内報酬系が活性化されます。これが達成感や喜びといった感情を生み出します。毎日の小さな成功が、脳にポジティブなフィードバックを与え、さらに自己効力感を高めます。

ですから、筋トレをジムに通って習慣化したい場合は少ない負荷でもジムに毎日通いましょう。筋トレに詳しい人は「あれ?」と思われたかもしれません。

確かに、一度に全身を鍛える筋トレは、強度や回復力にもよりますが週に2、3日のトレーニングで十分といわれています。脚、背中、胸などの大きな筋肉は回復に通常2~3日必要となるので、筋トレを毎日行っても筋肉の回復が追いつかず、逆効果になる可能性も指摘されています。

ただ、あくまでも習慣化を目的とした場合、とりあえず少ない負荷でもジムに毎日行くことを優先しましょう。ジムに毎日行くにあたり、今日は脚、明日は背中、明後日は胸というように筋トレで鍛える部位を変えることで、その部位を回復するための期間を設けることもできます。

毎日行くことで脳を慣れさせることが習慣化の土台になります。大きな課題にいきなり取り組むことはストレスを引き起こす一因ともなりますが、小さなステップで始めることは心に安定感をもたらします。

最初の1週間の「少しずつでもいいから、『毎日』行う」の具体的なやり方は次の6点になります。

【最初の1週間の具体的なやり方】

1 目標とラフなプランの具体化と実践

「『毎日』行う」では、少しずつでいいので、回数や時間を増やしていきます。たとえば、筋トレであれば1日目が1回なら、2回、3回、4回、......と増やしていきます。勉強でしたら1日に1分を2分、3分、4分、読書でしたら1日1ページを2ページ、3ページととにかく小さく刻みましょう。

悪い習慣をやめたい場合も同じです。お酒が好きな人が突然禁酒するのは簡単ではありません。毎日ビールを1リットル飲んでいたらまず半分にしてみる、同じ量を飲むにしてもアルコール度数が低いお酒に切り替えてみるなど少しずつ減らすことでホメオスタシスによる強い揺り戻しに負けなくなります。

たばこも1箱吸っていたら1本ずつ少なくするようなステップが重要になります。気をつけなければいけないのは、目標にいきなり到達しようと焦らないことです。たとえば腹筋を50回するのが目標であれば「1回から始めて1日に1回ずつ増やすので間に合うのかな」と不安になるかもしれません。

回数そのものよりも成功体験を多く味わうことに重きを置いています。「なんか物足りないな」とムズムズするくらいの負荷でいいのです。負荷をかけすぎずに成功体験を積み重ねて、自分が前に進んでいる感覚を体感することを重視してください。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英地方選、右派「リフォームUK」が躍進 補選も制す

ビジネス

日経平均は7日続伸、一時500円超高 米株高や円安

ワールド

米CIA、中国高官に機密情報の提供呼びかける動画公

ビジネス

米バークシャーによる株買い増し、「戦略に信任得てい
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 5
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 6
    インドとパキスタンの戦力比と核使用の危険度
  • 7
    目を「飛ばす特技」でギネス世界記録に...ウルグアイ…
  • 8
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 9
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中