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「努力が未来を重くするなら、壊せばいい」──YOSHIKIが語った創作と人生の覚悟

Art That Endures

2026年2月27日(金)17時00分
小暮聡子 (本誌記者)

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昨年11月、サウジアラビアの世界遺産「へグラ」で公演したYOSHIKI

――音楽家として、YOSHIKIさんはどのように作品を生み出しているのでしょうか。

日記を書くように曲を書いています。つらいことがあっても、僕は常に曲を書いている。それを形にする機会というのは後からいろいろありますが、意識して商業的な目的だけに書くことは、あまりありません。

今でもベートーヴェンの音楽を聴くと心が和むように、自分の曲で誰かが救われたらいいな、という気持ちはありますが、書いている瞬間はただ感情をぶつけているだけですね。


――インスピレーションは日常から?

僕は(人一倍敏感な)ハイパーセンシティブパーソナリティーなので(笑)、風が吹いただけでメロディーを感じることもある。降りてこなくて葛藤することも稀にありますけど、メロディーの雨はいつも降っています。

最近はAIについて考えることも多いですが、AIは便利ではあるものの、便利になることと幸せはイコールじゃない。AIは、フェイクの感情は作れるかもしれませんが、感情を裏打ちする実際の体験があるかないかでは違うだろうとも思います。芸術というのは、それが生まれる過程までを含めて芸術であり、音楽家の生き様に裏打ちされているからこそ、人の心を動かす。奥行きのある、三次元を超えたものだと思います。

――体験で言うと、2024年に3度目の首の手術を経験されました。音楽家として大きな試練だったと思います。

分かりやすく言うと、手がずっと痺れているんです。幸い動きにかかわる神経へのダメージは少なかったのでピアノは弾ける。でもビリビリとした痛みはある。それは首の頸椎から来ているというので、手術することにしました。

首は長年の激しいドラミングで本当にボロボロで、いま現在は人工椎間板が2つ入っています。将来、4回目、5回目の手術が必要になる可能性もあります。でも少しでも痛みが引くならと思ったので手術をしない選択肢はなかったです。

――精神的にはいかがでしたか。

人生における約1年間をリハビリに費やさなければならないのは、つらかったですね。あとは、特に僕の場合はX JAPANのアルバムや活動についてなどを含めて、ありがたくも世の中から求められている立場もあり、自分もその期待に答えたいんだけど......メンタルで言えばその部分だったかもしれません。世間が思う「YOSHIKI像」と、本当の自分とのギャップが苦しいと思うことはあったりします。

――本当のYOSHIKIさんとは......?

HIDEによく言われていた言葉があって。「YOSHIKIは、積み木を一生懸命、毎日積み上げる。でも途中でそれを蹴っ飛ばしてしまうことができる」って。自分でも、良い悪いはさておき、そういう面はあると思います。

世間から見たら破天荒に見えるかもしれないけれど、どんなに努力したとしても、その瞬間に意味を持たなくなったら、「もう一回ゼロからやればいいじゃん」と思ってしまう。努力したから、それを理由に進まなきゃいけない、とは考えたくないんです。やった努力によって未来が重くなるのが、好きではないです。ただその時その時で考えられる最大の努力はいつでもしているつもりです。

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