日本の小説が厳しい現実を生きる韓国の若者を癒す...人気なのはピュアな恋愛小説と太宰治?
DEEPLY ROOTED
日本の小説は韓国の若者にも人気だ fornStudio
<韓国では出版される書籍の約2割が日本の書籍。日本の小説も人気だが>
日本の書籍は以前から韓国で出版される書籍の2割を占めるほど存在感を発揮してきた。未曽有の「Jカルチャー・ブーム」が到来した2023年には『すずめの戸締まり』をはじめとしたアニメ関連書籍と若い作家たちのライトノベルが、韓国の大手書店の年間ベストセラーに次々と選ばれ、メディアの注目を集めた。

24年にハン・ガンが韓国人として初めてノーベル文学賞を受賞して韓国小説ブームが到来しても、若者層を中心に日本の小説の人気は根強い。
韓国最大のインターネット書店イエス24によると、過去5年間で最も売れた日本の小説は一条岬の『今夜、世界からこの恋が消えても』で、50万部以上も売れている。今年6月から同作が原作のミュージカルが上演され、映画版のリメークも製作に入っている。

同作は、眠りに就くとその日の記憶を失ってしまう前向性健忘という独特な病を扱い、微細な感情描写や韓流コンテンツでは珍しい「ハイティーンロマンス物」という点も人気の要因だと指摘される。韓国の大衆文化評論家であるキム・ホンシクは、「最近の韓国の10代、20代前半はむしろアナログ感性のピュアなロマンス物を好む傾向が見られる」と分析している。





