アメリカ鉄鋼産業の復活へ...鍵はトランプ関税ではなく、労働力の確保
住宅建設を支援
問題があまりに深刻なため、鉄鋼メーカーを主な資金提供元とする住宅建設支援プログラムが導入された。新たに住宅を建てて勤務のために4年以上住む労働者に住宅価格の一部を支援する仕組みだ。
繁栄する鉄鋼産業と地域経済の衰退というコントラストは、製造業基盤を建て直したいと願う全ての地域が直面する問題を浮き彫りにしている。
国民を工場労働に就かせる上で最大の壁は国民の認識、すなわち、いくら製造業がきらびやかな新工場に投資しても、不況になればあっさり縮小または閉鎖されるとの認識だ。これは概ね当たっている。
ブライスビルの工場で働くライジンガーさんの同僚、グレッグ・ガルブレイスさんは、テネシー州から1時間かけて通勤している。ブライスビルは「良い地域ではない。何もないし、犯罪率も高い」という。
この地域の鉄鋼労働者は労働組合に加入していないため、解雇された場合の保護が少ない。この傾向は全米で強まっている。労働省の統計によると、米労働者のうち組合員は10%未満と、1983年の20%超から低下した。
米鉄鋼最大手ニューコアの広報担当者は「すべての製造業者が人材不足に直面している。当社だけの問題ではない」と語った。


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