最新記事

ビジネス

人を動かすには付きものの「4つの壁」と、その乗り越え方を知る

2022年4月5日(火)18時21分
flier編集部
高橋浩一氏

Koichi Takahashi

<独りよがりな言動では相手に協力してもらい「動いてもらう」ことはできない。『気持ちよく人を動かす』筆者、高橋浩一氏に秘訣を聞く>

※このインタビュー記事は、本の要約サービス「flier(フライヤー)」からの転載です。

承認や協力を依頼するときや、指導・交渉・提案をするとき、相手と合意に至るには「4つの壁」を乗り越える必要がある──。2021年9月に刊行された『気持ちよく人を動かす』(クロスメディア・パブリッシング)の著者、高橋浩一さんは、本書で「どうしたら気持ちのよい合意ができ、人が動いてくれるのか」を解き明かしました。

ベストセラーとなった『無敗営業』シリーズでは、ご自身の経験から得られた営業ノウハウを徹底的に言語化し、ロジックに落とし込んだ高橋さん。今回テーマに選んだ「気持ちよく人を動かす」とはどういうことなのか、「気持ちよく人を動かす」にはどうすればいいのか。インタビューで語っていただきました。

◇ ◇ ◇


「KYマネジメント」に陥っていた高橋さんを変えた出来事

── 『無敗営業』シリーズは営業担当者向けでしたが、今回はさらに広げて「人を動かすこと」がテーマでした。執筆の背景をお聞かせください。

「人に動いてもらうにはどうすればいいか」。これは僕が人材育成や組織づくりの仕事をする中で、一番よくうかがう悩みです。僕自身、人との間に生じる摩擦や壁に苦しみ、悶絶した経験は数えきれないほどあります。

ただ、振り返ってみると、壁があったからこそ得られたものもあったと感じています。本書はこの気づきから生まれました。

── 『気持ちよく人を動かす』では、「関係性の壁」「情報整理の壁」「思い込みの壁」「損得勘定の壁」という4つの壁の存在が明示されています。

「関係性の壁」は警戒心から発生する壁です。提示している内容への賛否とは関係なく、相手と自分の関係性が原因となって生まれるもの。この壁を乗り越えるには、傾聴と自己開示を通して相互理解に努めましょう。

「情報整理の壁」は、相手の中で状況がクリアになっていないことによって生まれる壁です。検討に必要な情報を整理して「見える化」することで議論が前進します。

固定観念や先入観によって生まれる「思い込みの壁」は、思い込みの原因を特定し、思考や認識の「リフレーミング」を促すことが有効です。

「損得勘定の壁」は「損をしたくないから動きたくない」という心理によって生まれるもの。相手からメリットやデメリットを引き出し、選択肢や判断基準を変える手助けをすればよいでしょう。

── 4つの壁という形で言語化し、整理されているところが、高橋さんらしいと感じます。先ほど「壁があったから得られたものもある」とおっしゃいましたが、具体的にどんなことですか。

壁のおかげで得られる気づきがあると思うんです。誰かと衝突することで「こんな見方もあったのか」「そういうふうに感じる人もいるんだ」と気づけたり。

220402fl_tks02.jpg

気持ちよく人を動かす
 著者:高橋浩一
 出版社:クロスメディア・パブリッシング
 flierで要約を読む

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

マレーシア、対米関税交渉で「レッドライン」は越えず

ビジネス

工作機械受注、6月は0.5%減、9カ月ぶりマイナス

ビジネス

米製薬メルク、英ベローナ買収で合意間近 100億ド

ビジネス

スターバックス中国事業に最大100億ドルの買収提案
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...APB「乗っ取り」騒動、日本に欠けていたものは?
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    トランプ関税と財政の無茶ぶりに投資家もうんざり、「強いドルは終わった」
  • 4
    「ヒラリーに似すぎ」なトランプ像...ディズニー・ワ…
  • 5
    犯罪者に狙われる家の「共通点」とは? 広域強盗事…
  • 6
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 7
    名古屋が中国からのフェンタニル密輸の中継拠点に?…
  • 8
    自由都市・香港から抗議の声が消えた...入港した中国…
  • 9
    人種から体型、言語まで...実は『ハリー・ポッター』…
  • 10
    「けしからん」の応酬が参政党躍進の主因に? 既成…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 7
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中