失敗しても動揺しない「鋼のメンタル」を身につけよ 人生は「偶然のゲーム」、論理的に考えれば想定内
ささいなことに一喜一憂しない心の平安を手に入れるためには──? LumiNola - iStockphoto
100万人がABEMAで視聴する麻雀プロリーグ「Mリーグ」の雀士・小林剛氏は、サイバーエージェントの藤田晋社長が「鋼のメンタル」と評するほどのメンタルの持ち主。「メンタルの強さは、"思考法"次第。どんなに繊細で、傷つきやすい人であっても、論理的なものの考え方を身につけることさえできれば、今この瞬間から心は強くなる」と言います。小林氏が上梓した『なぜロジカルな人はメンタルが強いのか? 現代最強雀士が教える確率思考』より一部抜粋・再構成してお届けします。
人生は「偶然のゲーム」
私は麻雀プロの中でも「とくにメンタルが強い」と言われています。サイバーエージェント社長で、Mリーグ「渋谷ABEMAS」監督の藤田晋さんは、私のことを「鋼のメンタル」と評しました。強いか弱いかと問われれば、強いほうでしょう。自分でもそう思います。
しかし、本当に私のメンタルが強いのでしょうか? 何か少し悪いことが起こっただけで、「もうダメだ」と落ち込んで、投げやりになってしまう。そういう人が多い印象です。
それは麻雀プロの中でも、例外ではありません。麻雀は「いい偶然」と「悪い偶然」が起こり続けるゲームです。なのに、なぜか悪いことが起こると「あの一手で心が揺れてしまった」とか、そういう表現をする人がとても多いのです。
先日、ある企業で営業マンをやっている友人と昼にばったり会ったので、ランチを共にしました。ランチの間、彼は自分のスマホ画面を見ながら、「あー今日はツイてないなぁ、早めに切り上げて会社に戻ろう」とぼやきました。聞いてみると、取引先から少々ガッカリするメールが届いたとのこと。なぜ会社に戻るのか尋ねると、「こういう日は次に回っても、うまくいかないことが多いんだよね」と話していました。
反対に、いいことが続いた場合に、「今日はツイてるから、なんでもうまくいくぞ!」などと言う人もよく見かけます。こういう考えを、私は不思議だと思います。人生も、そして麻雀も「いいこと」と「悪いこと」が偶然起こり続けるゲームです。ゲームの構造をわかっていれば、何が起ころうとも、その後の判断や行動を変える必要はないのです。
麻雀プロのおそらく9割以上が、運・不運で感情を揺さぶられていると思います。感情が揺れて、いいことは1つもありません。強気で勝負すべきところで逃げてしまったり、逆に強気で行きすぎたりしてしまいます。冷静さを失っているとき、当人はなかなか気づきにくいものです。