最新記事
自然

天文学者が肉眼で見たオーロラは失望の連続、カメラに映る光の饗宴はまぼろしなのか

My Northern Lights Letdow

2024年10月30日(水)19時38分
エリック・ホルサウス(気象学者、環境ジャーナリスト)
カメラで撮影したオーロラ

カメラで撮影するオーロラは色鮮やかな光のスペクタクルだが ROSS HARRIEDーNURPHOTOーGETTY IMAGESーSLATE

<せっかく訪れたチャンスなのに実物は期待と大違い......写真のように鮮やかには見えない理由ととらわれない楽しみ方>

アラスカやアイスランド、北極圏まで行かなくても、オーロラ観賞ができる絶好のスポットの1つが、米ミネソタ州だ。気象学者の筆者は10年ほど前にミネソタへ引っ越してきたとき、すごいオーロラが見られると期待していた。

なにしろ、米本土48州の最北端はミネソタ州に位置している。地元女子サッカーチームの名称は「ミネソタ・オーロラ」だし、州内唯一の国立公園にはオーロラ観察専用エリアもある。緑のエイリアン色の光が夜空を彩る驚異を、何度も目にできるはずだ──。


大間違いだった。最初の2~3年に見かけたのは、地平線上にある灰色がかった緑の染みのようなものだけ。それでも、条件に恵まれた夜なら、はるかに素晴らしい光景が見られると思っていたが、そうはいかなかった。

最近、オーロラがよく話題になっている気がするのは、気のせいではない。太陽の活動が非常に活発になる「極大期」に入り、オーロラが頻発している。10月10日夜から11日未明には、各地で低緯度オーロラが出現し、米南部テキサス州やメキシコ中部のマサトランでも見ることができた。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米シティ、ロシア部門売却を取締役会が承認 損失12

ワールド

韓国大統領、1月4ー7日に訪中 習主席と首脳会談

ワールド

マレーシア野党連合、ヤシン元首相がトップ辞任へ

ビジネス

東京株式市場・大引け=続落、5万円台維持 年末株価
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 5
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 6
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 7
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 8
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中