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欧州債務危機を支援する中国の皮算用

China's Aid to Europe: View from Beijing

金融支援の見返りに中国が早期承認を求めた「市場経済国」待遇とは

2011年9月20日(火)18時17分
キャスリーン・マクラフリン

 中国がまたしても、世界的に広がる債務危機から漁夫の利を得ようとしている。巨額債務をかかえる欧州諸国が資金難に苦しむなか、ふんだんな手持ち資金を武器に、欧州への影響力拡大を目論んでいるのだ。

 推定3兆2000億ドルという世界最大の外貨保有国である中国は今や、世界経済の駆け込み寺のような存在だ。今のところ、中国による欧州諸国の国債保有額は低く抑えられているが、当局は先日、EU(欧州連合)の中国政策が変われば国債の買い増しもありえると示唆。WTO(世界貿易機関)の規定では、中国は2016年に「市場経済国」として承認されることになっているが、中国はEUに承認時期の前倒しを求めている。

 温家宝首相は先週、大連で行われた夏季ダボス会議で演説し、対中政策について「大胆な措置」を取るようEUに呼びかけた。「中国を完全な市場経済国と認めることは、友人が友人を認める1つの方法である」

 国営新華社通信は、さらに踏み込んだ主張をしている。「世界的な経済危機とヨーロッパの債務危機の勃発以来、中国はヨーロッパを支えてきた。例えば2009年には、欧州経済を活気づけるために多くの代表団をヨーロッパに送り込み、膨大な数の商品やサービスを買い込んだ」

「中国は昨年来、深刻な債務危機に陥った国々を救うために、多くの欧州諸国の債券を購入してきた。なのに、中国の市場経済国承認問題について、EU側がいまだに誠意を示さないのは遺憾だ」

ダンピング調査での不利益を解消したい

 首都経済貿易大学(北京)の経済学者、趙忠秀によれば、中国が市場経済国の地位にこだわるのは、貿易交渉における不利益を解消したいためだ。

 中国側に言わせれば、市場経済国待遇を受けられないために、中国製品は反ダンピング調査の際に不利な条件で審査され、不当なダンピング課税を強いられている。「市場経済国に承認されれば、そうした問題はなくなる」と、趙は言う。

 一方、アメリカやEUにしてみれば、中国はまだ承認の条件を満たしていない。実際、経済危機の前後に中国が行った巨額の消費刺激策によって、承認が一段と遠のいたと考える向きも多い。

 EUのジョン・クランシー広報官(通商問題担当)は、市場経済国への移行は「ルールに基づいたプロセス」だとメールで表明した。「市場経済国の承認に関するテクニカルな基準は明確だ。政治的な事情に合わせて決定される事柄ではない」

「欧州委員会のアセスメントによれば、中国の状況は改善しつつある。大半の法律が整備されているが、その施行はこれからだ。つまり、市場経済国承認のタイミングはほぼ中国に委ねられている」
 
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