コラム

トランプがグリーンランド「所有」に固執するトンデモ理由

2026年01月30日(金)16時50分

そもそもトランプ米大統領はなぜグリーンランドに執着するのか。トランプの大統領復帰を目指したのとほぼ同時期に、欧州委員会が「重要原材料」と認定したレアアースがグリーンランドに豊富に存在することが調査で判明した。AIの発達と普及で世界のエネルギー需要が増大している今、これを開発すれば中国への依存を減らせる。

加えて北極圏は、大国間の競争の舞台だ。中国は2018年の北極政策白書で自国を「近北極」国家と位置付け、「北極シルクロード」構築の意欲を示した。既に中国はグリーンランド南部の鉱山プロジェクトに重要な権益を確保している。


複数の評論家は、トランプには息子の事業のために莫大な富を獲得する狙いもあると推測している。トランプ自身も最近、あるジャーナリストにグリーンランドの「所有権」がなぜそこまで重要なのかと質問された際にこう答えている。「成功のために必要だと心理的に感じるからだ。所有権はリース契約や条約の話をしている場合と違って、それなしでは不可能なことを可能にしてくれると思う」

大富豪イーロン・マスクはトランプが創設したパレスチナ自治区ガザの暫定統治を監督する「平和評議会」について、トランプの望みは「ピース(平和)」なのか、それとも「ピース(領土や権益の一部)」なのかと冗談を飛ばした。本人は大受けだったが、聴衆は言葉を失った。かつてアメリカが主導していた西側世界にもたらされた恐怖と衝撃の大きさを物語る。

プロフィール

サム・ポトリッキオ

Sam Potolicchio ジョージタウン大学教授(グローバル教育ディレクター)、ロシア国家経済・公共政策大統領アカデミー特別教授、プリンストン・レビュー誌が選ぶ「アメリカ最高の教授」の1人

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