Picture Power

世界が切り取る 5月15日 ネット時代の巨大写真イベント

Global Documentary Photo Project

Photographs by Courtesy of Aday.org

世界が切り取る 5月15日 ネット時代の巨大写真イベント

Global Documentary Photo Project

Photographs by Courtesy of Aday.org

 手軽に目前の「今」を記録する方法として、写真は日常の多様なシーンで活躍している。5月15日(火)ごく普通の一日を世界中の参加者が各々の視点でカメラに収め、言語の違いを超えたビジュアル・メッセージをネット上に集積する写真イベント「ア・デイ・org(Aday.org)」が行われる。

 1955年にエドワード・スタイケンが手がけ、ユネスコ世界記録遺産のドキュメンタリー写真プロジェクト*「ザ・ファミリー・オブ・マン」に触発されたこの企画には、プロ写真家からアマチュアまで幅広い層が参加し、撮影された平素の一コマはウェブに掲載される。優秀作品として選抜された写真は、世界中を巡る展覧会や10月刊行の写真集で発表される。

 欧米の報道で多く取り上げられる中東、アフリカの他、昨年震災を経験した日本にも注目が集まり、日本語にも対応している。主催者の非営利財団エクスプレッションズ・オブ・ヒューマンカインド(スウェーデン)のチーフ・エディターであるエイペリ・カラブディ・エッセは「日本は視覚テクノロジーの最先端を走り、揺るぎない伝統を持つ一方で先を見通すビジョンがある国だ。独自の視点で日常生活や自分の身の回りの出来事を切り取り、今の日本の姿を写し出してほしい」と語る。

 同様の企画のうち、プロ写真家だけが参加するものは、リック・スモランがスタートさせ20年以上シリーズ化された*「ア・デイ・イン・ザ・ライフ〜」写真集、一般に広く写真を募るものとしては2010年のニューヨーク・タイムズの*「ア・モーメント・イン・タイム」などが知られており、応募の際には参考になりそうだ。

 写真でドキュメントする「世界のごく普通の一日」は参加者にとっての特別な一日になるだろうか。あらゆる人が写真撮影を行う時代になり「写真の影響力は生活や仕事や記憶の隅々に浸透し、いまだかつてないほど強くなっている」とエッセは言う。「まずは、カメラを持ってチャレンジしてください」

ーー編集部・片岡英子

 Aday.org  *日本語を含む10カ国語に対応
被写体についてやアップロードの方法などが更新されました
(詳細はア・デイ・orgのサイトをご覧ください)

関連イベント
オープン・ショー・トーキョー(Open Show Tokyo)

参考サイト
*「ザ・ファミリー・オブ・マン」
*「ア・デイ・イン・ザ・ライフ〜」写真集シリーズ
*「ア・モーメント・イン・タイム」

MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 4
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 5
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 6
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 7
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 1
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 10
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 6
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中