「戦争は、暮らしの隣にあった」...沖縄戦を経験した3人の少女が語る「戦後80年目/昭和100年の記憶」とは?
さまざまな人と話すうち、とりわけ若くして戦争を体験した女性たちの話は豊かだと思うようになった。戦時は、戦闘を担う男性と銃後の女性の間には、はっきりと意識や役割の違いがある。
だが、当時の若い女性には、にわかに社会的な役割と責任が増えたことで、上の世代とも子供たちとも違う特有の意気込みがあったようだ。と同時に、衣食住をめぐる心配など暮らしの実感があり、感情を表現する言葉も備えている。
この本は、10代後半で沖縄戦を経験した3人の少女たちの物語である。
いずれも勇気と才覚があって、大人の入口に立ったばかりだった。ただ最善を尽くして責務を果たそうとし、それぞれ戦争に直面し、大切な人を失い、悲しみや後悔とともに、それでも逞しく戦後を生きてきた。
文字どおり一所懸命に生きた純粋さと、静かな諦念、淡々と笑って話す強さと美しさに心を打たれた。これまであまり取材されることがなかった類の話である。今だから話せることかもしれない。
そんな長い昔語りを、生活の場に上がり込み、一緒にお茶を飲んだり、世間話をして笑い合ったり、時には雑用を手伝ったりしながら聞かせてもらった。
親しみとともに手渡された物語は、メディアが活字や映像で残す証言や記録、いわゆる「戦争の実相」とはずいぶん違う。彼女たちの小さな声を、今この時期に、なんとか文字に留めておきたいと思った。
宮武実知子(みやたけ・みちこ)
1972年京都市生まれ。2003年京都大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程・指導認定退学。日本学術振興会特別研究員(国際日本文化研究センター)、同志社大学・関西大学などの非常勤講師を経て、2008年沖縄へ移住し、現在は主婦。夫は沖縄県護国神社の宮司を務める。訳書に『英霊──世界大戦の記憶の再構築』(ジョージ・L・モッセ著、ちくま学芸文庫、2022年)。分担執筆「沖縄文化」(筒井清忠編『昭和史講義【戦後文化篇】(上)』ちくま新書、2022年)、新潮ウェブ連載「チャーリーさんのタコスの味──ある沖縄史」などがある。
『はるかな島の声 沖縄戦と3人の少女の長い旅』
宮武実知子[著]
千倉書房[刊]
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