最新記事
シリーズ日本再発見

「アフリカの妖精」に救われて...ヨシダナギだけの写真の世界は、こうして生まれた

2023年03月06日(月)08時06分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
ヨシダナギ

写真提供:ヨシダナギ

<誰もが一度は見たことがある、ヨシダナギの作品。人気番組出演時には作品はたった1枚だった...。人気フォトグラファー誕生の舞台裏とは>

国民的人気番組『クレイジージャーニー』でもおなじみの人気フォトグラファー・ヨシダナギ。いじめに遭い中学時代に不登校となり、その後、グラビアアイドル、そしてイラストレーターとして活躍していたことは、コアなファンであれば知っているかもしれない。

そのイラストレーターの仕事でスランプになり、もがき、模索していたときに出会った写真。そしてたった1枚の作品から「フォトグラファー」となって、世界でも活躍する今。自分はいつも周囲に見つけてもらい、拾われ、助けられていると謙虚に話すヨシダナギの魅力とは? 『ヨシダナギの拾われる力』(CCCメディアハウス)より抜粋する。

◇ ◇ ◇


奇跡か、はたまた神様のイタズラか、というような展開で『フォトグラファー ヨシダナギ』が誕生したわけなのだが、今でも自分では「フォトグラファー」という肩書きには多少の違和感を持っている。何の実績もない状態で頂戴しておきながら申し訳ない話ではあるのだが、やはり本物のフォトグラファーは違うと思っているからだ。

私の写真は、ありのままの姿を切り取ったドキュメンタリー写真ではない。見ればわかるように、ポーズや構図をディレクションして撮影している上に、かなりのレタッチ(修正)を施している。

実は、テレビに出る1回前の旅行で撮った写真で、初めて今の作風のようにディレクションして、レタッチをかける写真にトライしたのだ。それまでも、ちょっと明るくするなどの調整はしていたのだが、今ほどレタッチに時間を費やしたりはしていなかった。

ある日、モデルが凄くいいのだから、イラストを描くように私の世界観で彼らのカッコ良さを表現してみてもいいんじゃなかろうか。もしかしたら、まったくアフリカに興味がない人たちにも彼らのカッコ良さが伝わるんじゃなかろうかと、ふと思い立ってゴリゴリにレタッチをかけてみたら、予想以上にいい感じになったのである。

それをSNSに載せたところ、見事にバズったのである。そこからウェブメディアに取り上げられたり、知らない間にまとめられたり、トークショーに呼ばれたり......という事態に発展したのだ。

nagi3.jpg

今の作風にトライした第一作品目 提供:ヨシダナギ

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは横ばい圏155円後半、実需の買い一

ビジネス

日経平均は反発、節目回復で上昇に弾み 先物主導で見

ビジネス

東京海上、政策株式を29年度末までにゼロに 今年度

ワールド

インドネシア経常赤字、第1四半期は対GDP比0.6
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 4

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 5

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 6

    「裸に安全ピンだけ」の衝撃...マイリー・サイラスの…

  • 7

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 8

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 9

    「すごく恥ずかしい...」オリヴィア・ロドリゴ、ライ…

  • 10

    日本とはどこが違う? 韓国ドラマのオリジナルサウン…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 4

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 5

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 6

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中