コラム

高市首相の「解散総選挙」決断で、日本経済はどうなるか?

2026年01月14日(水)12時46分

長期金利上昇とともに円安が一段と進んだが、これをどう考えるか

長期金利上昇とともに円安が一段と進んだが、これをどう考えればよいか。「拡張的な財政政策は危うい」などの識者の見解や報道が鵜呑みにされて、いわゆる「高市トレード」で円安が進むとの期待形成が強まっている。

実際には、歪んだ期待形成に基づく投機的な円安は長続きしない、と筆者は考えている。というのも、財政政策が転換して経済成長が高まれば、日本銀行による利上げ時期は早まり、自ずと円高圧力が強まるからだ。

拡張的な財政政策のリスクが大きいと考える人も少なくないだろうが、「税収の取り過ぎ」によって日本の財政収支はほぼ中立まで改善している。先進各国の中でも財政状況はかなり健全化しているのが実情であり、財政政策を機動的に使う余地が実際にはかなりある。

緊縮思想にとらわれた政治家が経済政策を左右してきた状況は、高市政権が長期化すれば大きく変わるだろう。財政政策を含めて適切なマクロ安定化政策が実現すれば、デフレからの完全脱却によって日本経済は、ようやく米欧と同程度の経済状況に近づく。

岸田、石破両政権でこの動きは止まってしまったが、高市首相の政治決断によって、日本経済復活の道筋がより確かになると筆者は期待している。

(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)

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プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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