コラム

高市自民党の圧勝で日本経済はどうなるか? カギは「180兆円」の使い道

2026年02月09日(月)15時40分
日経平均株価

自民党の圧勝から一夜明けた2月9日、日経平均株価は大幅に続伸した REUTERS/Kim Kyung-Hoon

<衆院選で自民党が歴史的な大勝を収めた。消費減税はどうなるか、高市首相の「責任ある積極財政」はどのように実現するか>

2月8日に投開票された衆議院選挙では自民党が大勝し、316議席と、参議院の議決を覆すことが可能となる3分の2を超える議席を獲得した。現有議席をほぼ維持した日本維新の会と合わせて、与党としては350を上回る議席である。

1月14日コラム「高市首相の『解散総選挙』決断で、日本経済はどうなるか?」では、高市早苗首相が党内基盤を強めるために打ち出した早期解散で、首相にとって有利な政治情勢になったと述べた。

筆者の見立てどおり与党有利の展開となったが、実際には立憲民主党が「予想外の野合」に踏み切り、自滅した。立憲民主党が大きく減らした議席のほとんどが自民党の議席上積みをもたらし、自民党に歴史的な勝利が転がり込んだ。

自民党の大勝の主因は第一野党の自滅だが、中国当局から圧力を受ける中で高市首相の安全保障姿勢が揺るがなかったこと、さらに「責任ある積極財政」による消費減税策を、有権者の多くが支持したことも大きかったとみられる。

首相の権限が強まった2000年代以降、小泉政権、第2次安倍政権のように、衆院選挙で大勝した内閣は首相の党内求心力が強まり政権基盤が安定してきた。こうした中、高市首相が掲げる「責任ある積極財政」は今後着実に実現するだろう。

1月27日コラム「日経の『高市政権の消費税減税はポピュリズム』批判は的外れ」で述べたように、消費減税などの財政政策転換は、税金に依存する既得権益者などからは評判が悪い。実際には、長期デフレからの完全脱却の過程にある日本経済の状況を踏まえれば、経済成長率を高める妥当な経済政策と筆者は位置付けている。

プロフィール

村上尚己

アセットマネジメントOne シニアエコノミスト。東京大学経済学部卒業。シンクタンク、証券会社、資産運用会社で国内外の経済・金融市場の分析に20年以上従事。2003年からゴールドマン・サックス証券でエコノミストとして日本経済の予測全般を担当、2008年マネックス証券 チーフエコノミスト、2014年アライアンスバーンスタン マーケットストラテジスト。2019年4月から現職。『日本の正しい未来――世界一豊かになる条件』講談社α新書、など著書多数。最新刊は『円安の何が悪いのか?』フォレスト新書。

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