『エリン・ブロコビッチ』が描いたカリフォルニアの公害と水俣病の共通点と相違点
ここまでは実話。映画化のきっかけはブロコビッチから訴訟について聞いた友人が、映画プロデューサーで友人のカーラ・シャンバーグにその話を伝えたこと。スティーブン・ソダーバーグが監督に起用され、エリン役をオファーされたジュリア・ロバーツはこれを快諾した。
PG&Eは今もカリフォルニアで大手企業の位置にいるが、本作『エリン・ブロコビッチ』では(エリンが所属した弁護士事務所も含めて)実名のままだ。
アメリカ映画では驚くことではない。『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』『バイス』『スポットライト 世紀のスクープ』など実話をベースにした映画では、政治家や大企業、政党や著名人などの実名を使うことは当たり前だ。
邦画はどうか。実際に起きた政治家や大企業の犯罪などをテーマにした映画はいくらでもあるが、ほとんどが名前を巧妙に(民自党とか田中栄作とか丸菱商事とか)変えている。まったく意味が分からない。訴訟対策なのか。でもアメリカは訴訟大国だ。
1968年、日本政府は公式に「水俣病の原因はチッソ水俣工場排水の有機水銀」と認定した。世界で初めて公式に認定された公害病だ。
これまで僕は何度も水俣には足を運んできた。胎児性水俣病の患者たちとも何人も会っている。彼らのほとんどは僕と同世代だ。






