コラム

米史上で最も重大なサイバー侵害も...中国サイバー攻撃は「新時代」へ、経済スパイからどう進化?

2025年09月14日(日)19時36分

アメリカや日本のサイバー対策が抱える「脆弱性」

こうしたアメリカの状況は、日本にとっても他人事ではないだろう。中国の統合された国家統制モデルに対して、民間セクターとの協力に依存するアメリカや日本のような分散型のサイバー対策は、それ自体が「脆弱性」になっているとも言えよう。

中国のサイバー能力がより洗練され、破壊的になるにつれて、アメリカや日本のデジタル上の脆弱性が地政学を再構築し、開かれた社会のレジリエンスに挑戦する新たな脅威の現実と向き合わなければならない。

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プロフィール

クマル・リテシュ

Kumar Ritesh イギリスのMI6(秘密情報部)で、サイバーインテリジェンスと対テロ部門の責任者として、サイバー戦の最前線で勤務。IBM研究所やコンサル会社PwCを経て、世界最大の鉱業会社BHPのサイバーセキュリティ最高責任者(CISO)を歴任。現在は、シンガポールに拠点を置くサイバーセキュリティ会社CYFIRMA(サイファーマ)の創設者兼CEOで、日本(東京都千代田区)、APAC(アジア太平洋)、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、アメリカでビジネスを展開している。公共部門と民間部門の両方で深いサイバーセキュリティの専門知識をもち、日本のサイバーセキュリティ環境の強化を目標のひとつに掲げている。
twitter.com/riteshcyber

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