AI投資傾斜の米巨大テック、アルファベットの資金力に強み
 
        	アルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムの米巨大テック4社は今週の四半期決算発表で、来年にかけて設備投資を加速させる方針を示したが、最も投資家が評価したのはアルファベットだ。写真はグーグルのロゴ。2月9日、パリで撮影(2025年 ロイター/Gonzalo Fuentes)
Deborah Mary Sophia Akash Sriram Jaspreet Singh
[30日 ロイター] - アルファベット、マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、アマゾン・ドット・コムの米巨大テック4社は今週の四半期決算発表で、来年にかけて設備投資を加速させる方針を示したが、最も投資家が評価したのはアルファベットだ。ポイントは、キャッシュフローから資金を調達する能力だった。
4社は、半導体やデータセンターなど人工知能(AI)関連分野の強化に資金を投入している。
「データセンターとAIインフラへの継続的な投資は、この決算シーズンでビッグテック全体に見られたテーマだ」とeToroのマーケットアナリスト、ジョシュ・ギルバート氏は指摘する。
AI業界で数十億ドル規模の取引が行われる中、投資家はここにきて循環投資の網に警戒感を強める。大手ハイテク企業はAIが収益にどの程度貢献しているか正確に説明していないことも投資家を不安にさせる。
アマゾンを除く3社の株価は、AI競争の勝者になるとの期待から今年大幅に上昇してきた。しかし30日の米国株式市場では、各社の投資コストを投資家がはじく中、アルファベットが上昇し、マイクロソフトとメタは売られた。
30日の引け後に決算を発表したアマゾンは、「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」を手掛けるクラウド部門が予想を上回る増収となり、時間外取引で13% 近く急伸した。多額の投資が実を結び、AWSが他社との競争を予想以上に順調に進めていると受け止められ、AIへの過剰投資懸念を払拭した。
<費用とキャッシュフローのバランス>
メタの株価は30日に11%以上下落し、マイクロソフトは3%安で取引を終えた。多額の投資を回収しリターンを生むのに要する時間への懸念を映した。
一方、アルファベットは一時6%高まで買われ、約3%高で終了。株価上昇は、高騰する費用と強力なキャッシュフローをバランスさせていることだとアナリストは指摘する。
「設備投資が売上高やキャッシュフローに占める割合が低いことがポイントだと思う。投資家により安心感を与える。どの企業も支出を大幅に増やしており、フリー・キャッシュフローへの圧力が懸念されている」とエドワード・ジョーンズのシニア株式アナリスト、デイブ・ヘガー氏は語った。
アルファベットの第3・四半期の設備投資額は営業キャッシュフローに占める割合が49%。メタは64.6%、マイクロソフトは77.5%、アマゾンは約90%とさらに高い。
「一部の同業他社とは異なり、アルファベットはその支出をキャッシュフローでカバーしており、全てのシリンダーをフル回転させている」とeToroのギルバート氏は述べた。
シノバス・トラストのポートフォリオマネージャー、ダン・モーガン氏は、「キャッシュフローに余裕のある企業は、AIインフラにより積極的に投資する余裕がある。投資リターンが低くても許容できる」と指摘する 。
身の丈に合わない投資が懸念される中でも、経営陣は、AI需要に対応するには投資が必要と主張する。メタのマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は、AIへの過剰投資を巡り最悪のシナリオでは「多少の損失と減価償却が発生するだろう」としながらも、時間をかけてその投資を活用し、会社として成長することになると説明した。
アマゾンのアンディ・ジャシーCEOは「キャパシティへの積極的な投資を継続していく。需要があるからだ」と語った。







 
 
 
 
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     
 
     












