コラム

エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流していた? 首相の辞任にも関与していた可能性も

2026年02月03日(火)17時10分
ジェフリー・エプスタイン

ジェフリー・エプスタイン New York State Division of Criminal Justice Services-REUTERS

<エプスタインには要人の弱みを握り、外国勢力に提供する情報ブローカーという一面も>

[ロンドン発]トニー・ブレア、ゴードン・ブラウン、キア・スターマーと歴代労働党政権で要職を担ったピーター・マンデルソン前駐米英国大使(解任)と、少女買春で起訴され自殺した米富豪ジェフリー・エプスタインの腐敗に満ちた関係に改めてスポットライトが当たっている。

【動画】エプスタイン文書から見つかった、ズボンを脱ぎ女性と映るマンデルソン

2人の関係は少なくとも2002~11年まで続き、エプスタインが08年に未成年者の買春斡旋で有罪判決を受けた後も続いた。昨年9月、エプスタイン文書の一部が明るみに出た際、マンデルソン氏が「早期釈放のために戦う」よう促していたことが明るみに出て失脚した。


先月末、350万件ものエプスタイン文書が公開され、マンデルソン氏が政権の極秘情報を漏洩していた疑惑が浮上、労働党も離党した。英紙タイムズ(2月2日付)によると、マンデルソン氏の名前は5938回も登場し、時にいちゃつくようなトーンが親密さを物語っているという。

エプスタインに愛を告白していたマンデルソン氏

同紙によると、エプスタインはマンデルソン氏を「ピーティー」と呼び、同性愛者のマンデルソン氏はエプスタインに愛を告白、ある時は「君の夢を見る」とまで書き送っていた。文書はマンデルソン氏がいかに日常的に公私混同していたかをうかがわせる。

マンデルソン氏はパリやニューヨークのエプスタイン所有マンションへの宿泊、カリブ海の私有地への旅行、財務アドバイスの便宜を受けていた。マンデルソン氏への7万5000ドル送金や現在マンデルソン氏のパートナーが整骨学コースで学ぶための1万ポンド支払いも浮上した。

エプスタインは影響力があると思った人物は誰でも人脈に加えたがる「要人コレクター」。ビル・クリントン氏のような有力な政治家には贅沢なプライベートジェット、別荘、社交の場を提供する一方で、実業家には政治的影響力を獲得する橋渡し役を務めていた。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

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