コラム

「プーチンが彼を嫌っている」...反ロシア記者らを狙った在英国際スパイネットワークの全容判明

2025年03月08日(土)16時15分
親ロシアスパイ組織が英国で有罪評決

ヴァニャ・ガベロヴァ被告 Metropolitan Police/Handout via REUTERS

<ブルガリア人スパイネットワークの末端分子とされる3人の被告に対する有罪評決が英中央刑事裁判所で下された。スパイマスターはドイツ決済会社の元COOでロシアに逃亡>

[ロンドン発]欧州各地でスパイ活動に加担したとして英国在住ブルガリア人のラボ技術者カトリン・イヴァノヴァ(33)、美容師ヴァニャ・ガベロヴァ(30)、画家兼内装業者ティホミル・イヴァンチェフ(39)の3被告が3月7日、英中央刑事裁判所で有罪評決を受けた。

3被告は、オーストリア人実業家ヤン・マルサレク容疑者(44)が指揮するブルガリア人スパイネットワークの末端分子。マルサレク容疑者は20億ユーロ近い不正会計で経営破綻したドイツの決済会社ワイヤーカードの最高執行責任者(COO)で2020年にロシアに逃亡した。

マルサレク容疑者は、北極圏の刑務所で1年余前に獄死したロシア反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏毒殺未遂事件でロシアスパイの関与を暴いた調査報道ジャーナリスト、クリスト・グロゼフ氏への監視も指揮していた。 3被告はグロゼフ氏監視作戦に関与していた。

アジトは海岸沿いの街の元ゲストハウス

マルサレク容疑者は英国のスパイネットワークの中心人物オルリン・ルセフ被告(47)=有罪答弁=と7万8747件ものメッセージを交わし、6つ以上の作戦を企てていた。ルセフ被告は英ノーフォーク州の海岸沿いの街の元ゲストハウスから欧州全域でのスパイ活動を指揮していた。

プロフィール

木村正人

在ロンドン国際ジャーナリスト
元産経新聞ロンドン支局長。憲法改正(元慶応大学法科大学院非常勤講師)や国際政治、安全保障、欧州経済に詳しい。産経新聞大阪社会部・神戸支局で16年間、事件記者をした後、政治部・外信部のデスクも経験。2002~03年、米コロンビア大学東アジア研究所客員研究員。著書に『欧州 絶望の現場を歩く―広がるBrexitの衝撃』(ウェッジ)、『EU崩壊』『見えない世界戦争「サイバー戦」最新報告』(いずれも新潮新書)。
masakimu50@gmail.com
twitter.com/masakimu41

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

パキスタン首都の自爆攻撃、「イスラム国」が犯行声明

ワールド

米ホワイトハウス、人種差別的な動画投稿を削除 オバ

ビジネス

ジェファーソンFRB副議長、26年見通し「慎重なが

ビジネス

SF連銀総裁「米経済は不安定」、雇用情勢の急変リス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近したイラン製ドローンを撃墜
  • 2
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入った「最強ライバル」の名前
  • 3
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予防のために、絶対にしてはいけないこととは?
  • 4
    韓国ダークツーリズムが変わる 日本統治時代から「南…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    地球の近くで「第2の地球」が発見されたかも! その…
  • 7
    鉱物資源の安定供給を守るために必要なことは「中国…
  • 8
    「右足全体が食われた」...突如ビーチに現れたサメが…
  • 9
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 10
    日経平均5万4000円台でも東京ディズニー株は低迷...…
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 3
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 4
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 5
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 6
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流してい…
  • 9
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」…
  • 10
    エヌビディア「一強時代」がついに終焉?割って入っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 5
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story