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イギリス史上最悪の首相? あのお馬鹿な「最短命」首相が、政治の表舞台に戻ってきた
万引きが前年比37%も激増
エネルギー・生活費の危機で英国では万引きが前年比37%も激増。英紙デーリー・テレグラフは「食べ物を買う余裕のない人たちから注文を受けて盗みに入るプロまであらゆる種類の犯罪が起きている」と店員の眼の前で酒、菓子、剃刀、コーヒー、肉など転売価値のあるものなら何でも持ち去られる様子を伝える。NHSの待機患者数は過去最悪の768万人に達した。
世論調査会社Ipsosが7月19~23日に実施したポリティカル・モニターでマーガレット・サッチャー以降の歴代首相が英国を良くしたか、悪くしたかを尋ねている。72%がトラス氏は英国を悪くしたと答え、良くしたと答えたのはわずか5%だった。62%がジョンソン氏は英国を悪くしたと回答、25%が良くしたと答えた。
英国を良くした首相ランキングは以下の通りだ。
(1) サッチャー46%(悪くしたとの回答は37%)
(2) トニー・ブレア42%(同36%)
(3) キャメロン29%(同45%)
(4) ゴードン・ブラウン28%(同33%)
(5) ジョン・メージャー26%(同19%)
(6) ジョンソン25%(同62%)
(7) メイ21%(同49%)
(8) トラス5%(同72%)
英中銀・イングランド銀行元総裁のマーク・カーニー氏は「民間部門での経験がほとんどなく、自由市場主義者の仮面をかぶった政治家人生を送ってきた人々は強い経済にとって使命、制度、規律の重要性を著しく過小評価している。極端な保守派には経済を動かすものに対する根本的な誤解がある」と厳しい。
総裁在任中、保守党の強硬離脱派から激しい攻撃を受けたカーニー氏は「EU離脱派は英国を『テムズ川のシンガポール(規制緩和で成功した国家)』にするという夢を達成するどころか、トラス政権は『英仏海峡のアルゼンチン(財政破綻した国家)』を実現した」と、脱炭素化経済への移行の妨げになりかねないトラス氏の主張を一蹴した。