コラム

ロシアリベラル「最後の生き残り」、ボリス・ナジェージュジンに希望はあるか?

2023年12月22日(金)15時45分

この社会構造を公安警察KGBの後身FSBが津々浦々に張ったネットワークで監視する。00年、そのFSBを力の基盤とするプーチンが権力の座に就くと、リベラル分子は権力から遠ざけられた。

そして22年2月にウクライナ侵攻が始まり、リベラル・インテリは西側の友人との交信もはばかられる時代となった。モスクワに勤務した筆者にとって、彼らとの付き合いが一番面白かったが、今では彼らはロシア至上主義に走ったり、「ロシアをこんな国にした責任はアメリカにある」と恨み言を述べたり、と散り散りになった。


ナジェージュジンはそのような、裏切られたリベラルの最後の生き残りだ。ロシア当局が彼の大統領選立候補を認めるかどうかまだ分からないが、認められたとしても、リベラル嫌いの大衆は彼に投票するまい。投票したとしても、ロシアの電子集票システムがそれをきちんとカウントするかどうか......。

ナジェージュジンという名は「希望」というロシア語から派生している。次の選挙でも、リベラルの希望はつぶされることになるだろう。

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プロフィール

河東哲夫

(かわとう・あきお)外交アナリスト。
外交官としてロシア公使、ウズベキスタン大使などを歴任。メールマガジン『文明の万華鏡』を主宰。著書に『米・中・ロシア 虚像に怯えるな』(草思社)など。最新刊は『日本がウクライナになる日』(CCCメディアハウス)  <筆者の過去記事一覧はこちら

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