イスラエルのソマリランド承認に安保理で懸念、ガザ住民移住目的の見方も
イスラエルのブレット・ジョナサン・ミラー国連常任副代表。8月10日、ニューヨークの国連本部で撮影。REUTERS/Eduardo Munoz
Michelle Nichols
[国連 29日 ロイター] - イスラエルは29日、国連安全保障理事会の会合で、アフリカのソマリアから一方的に独立を宣言した「ソマリランド共和国」を国家として承認した決定を擁護した。一方、複数の国からは、イスラエルがパレスチナ自治区ガザから住民を移住させたり、軍事基地を構築したりする狙いではないかと懸念の声が上がった。
中東とアフリカのアラブ諸国でつくるアラブ連盟の代表は「パレスチナ人の強制移住を促進したり、軍事基地を設置するためにソマリア北部の港を利用したりすることを目的とした、この違法な承認から生じるいかなる措置」も拒否すると述べた。
パキスタンの代表は「イスラエルが以前、ソマリア連邦共和国のソマリランドについて、特にガザからのパレスチナ人強制送還の目的地として言及したことを踏まえると、ソマリアのソマリランド地域を不法に承認したことは深く憂慮すべきだ」と述べた。
ソマリアとソマリランドの外相は3月、パレスチナ人をガザから再定住させる提案は受けていないと述べていた。
ソマリアのオスマン国連大使は「イスラエルがパレスチナ人をガザからソマリア北西部に移住させようとする試みを含め、この目的を推進するためのいかなる措置も明確に拒否する」と述べた。
イスラエルのミラー国連次席大使は「(ソマリランド承認は)ソマリアに対する敵対的な一歩ではなく、将来の当事者間の対話を妨げるものでもない。承認は挑戦行為ではなく機会だ」と述べた。





