英ＭＩ５長官、ＡＩの脅威に警鐘 プロパガンダや選挙操作の恐れ

英国内の情報活動を担う情報局保安部（ＭＩ５）のマッカラム長官は１６日、人間の制御を回避し得る自律型人工知能（ＡＩ）が将来、安全保障上の脅威になる可能性があるとの見方を示した。１６日撮影（２０２５年　ロイター／Jonathan Brady）

[ロンドン　１６日　ロイター] - 英国内の情報活動を担う情報局保安部（ＭＩ５）のマッカラム長官は１６日、人間の制御を回避し得る自律型人工知能（ＡＩ）が将来、安全保障上の脅威になる可能性があるとの見方を示した。

英国への脅威に関する年次演説で、ＡＩは治安機関における業務効率化に貢献する一方、テロリストによるプロパガンダや偵察、国家主体による選挙操作やサイバー攻撃の高度化などにも利用されていると警告した。

ただ、恐怖をあおるリスクがあることも踏まえて慎重になるべきだとして、ハリウッドのＳＦ映画で描かれるような破滅的なシナリオを予測しているわけではないとも指摘した。

このほか、「ＡＩの能力がますます進化する中、今後数年間の『英国の防衛』がいかなる姿であるべきか、真剣に考えている」とし、ＡＩは人間への「害意」を全く持たないかもしれないが、「危害の可能性を無視するのは無謀だ」と警鐘を鳴らした。

自律型ＡＩについては、テクノロジー企業トップなどからも危険性を指摘する声が上がっている。